■昔の名前で出てました



ありゃ、これは2005年に愛知県でやった愛・地球博で展示されてた、トヨタの変なクルマでは?
i-unitというのが正式名称だそうで、まさかめぐりめぐって、ロンドンで
プラスチック製品の一例として展示されていようとは…。



これもプラスチックの製品群。
一番左端は、第二次大戦期の戦闘機のもの。
いわゆる有機ガラス、アクリル製のパーツで、これによって、丸みを帯びた形状の
透明キャノピーが製作可能となったのでした。

ここらアタリの技術革新は第二次大戦直前に一気に進んだ部分でもあります。
展示のものは全く黄ばみがないので、おそらく現存する型を使って複製したものでしょう。
この角度からだとわかり難いですが、左右にふくらみのあるバブルキャノピーで、
手前に斜めの切り欠きがありますから、スピットファイアのものと見て良いと思います。

シカゴの科学技術博物館でもそうでしたが、この手の博物館は、
それなりにこういった展示物をもってるので、全く油断ができないのです、はい(笑)。

という感じで、プラスチック関連の展示はオシマイ。
次に行きましょう。



次の展示はこれ、農業です。
農業で科学、というと科学肥料とか、遺伝子組み換えとかを連想したのですが、
それらは生物に関することだから、どうもイギリスでは神様の管轄とされてるらしく(笑)、
自然史博物館の方にありました。

ここの農業コーナーは、主に農業用の耕作機械の展示となります。
そういやスミソニアンのアメリカ史展示でも、そんな内容になってたな…。



なので、模型と一部実物によって、農業の機械化の歴史が展示されてます。
20世紀どころか、戦後まで人力と牛の力が普通だった日本人には、
こういった農業は、ちょっと馴染みがない展示ともいえます。



が、このジオラマ形式の模型のデキが異常によくて、つい見入ってしまいます。
何分の一スケールなんでしょうか、これ。



そこにあった馬による駆動装置。
これも日本にはないもので、複数の馬がグルグル回ることで、中央の軸を回転させ、
それをギアでシャフトの回転に変換、手前にある脱穀機を動かしてました。
あくまで、人力は最後の手段、という事なんでしょう。

ちなみに、蒸気機関が発明される前、炭鉱で水をくみ出すポンプの駆動にも、
こういった装置が使われていたわけです。
水車や風車でも代用できたはずですが、イギリスでどこまでそれが
普及していたのかはよくわからず。


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