■鍵があるなら、開けられるという事だと思うけど
左は19世紀の錠、右はそれが進化した複合式錠だとか。
複合式(COMBINATION)の錠、というのはカギ穴の奥の筒(シリンダー)が複数あるもので、
現在のいくつものギザギザがあるカギのルーツですね。
それ以前は、筒は単体で、それにあわせるカギも写真の中央左手にある、
出っ張り部分が単体でしかない、単純な構造だった、という事になります。
17世紀のドイツ製の金庫箱(chest)。
鉄製ですから、ムチャクチャ重いですよ、これ。
板状の鉄板を、これも鉄製のベルトで締め上げて造られてます。
なんだか海賊のお宝箱を連想してしまいますが、
じっさい、イギリスではこの手の箱、アルマダ金庫箱と呼ばれていたそうな。
アルマダは例のスペインの無敵艦隊の事です。
そのスペインの船をカリブ海とかで襲って大もうけしてたのが
16世紀末、エリザベスI世の許可を受けて(それどころか奨励されて(笑))、
活躍してた海賊のドレイク船長とかですから、
スペイン船から奪った宝箱、という意味なんでしょうね。
スペインにとっては、たまったもんじゃないネーミングですが…。
ちなみに、正面にあるカギ穴はニセモノで、
本当のカギ穴は、箱の上、鏡が置かれたあたりに、フタで隠された状態になってます。
なので、たとえカギを奪われても、そう簡単には開けられんぜ、という事になってるそうな。
ついでに、同じカギで開けられるんですが、鍵穴も複数あるようです、これ。
最後は現代の防犯ベルなど。
左側一番上のはスプリンクラーで、なぜここに?という気が、しなくもなく。
ついでに、ホントに最後の最後の展示は、右側のとっても楽しそうなドロボウの絵でして、
いいのか、これ(笑)…
で、その展示の壁に取り囲まれた室内中央には、大型化された各種錠前の模型があり、
それらの構造をじっくり見ることができます。
…ここで三日くらい勉強すれば、古い家だらけのロンドン、
ドロボウで食ってゆけそうな気も…。
ブラマー(Bramah)錠前店の店舗入り口。
イギリスでは有名らしい錠前職人、ブラマーさんの店を再現したらしいのですが、
これが実在の店舗からの移築なのか、再現建築なのかは不明。
あくまで入り口部分だけで、中には入れません。
窓の奥にはブラマーさんが製造した錠前が
いくつか展示されています。
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