■なんでここにあるのかは聞くな
こちらは、自動車の安全性確認テストに使われてるおなじみの人形さん。
上にあるのは折りたたみ自転車のようですが、詳細不明。
でもって、ここにもあった、例のイギリス初の実用ジェットエンジン、
ホイットル設計によるパワージェット社のW2/700。
現在主流になってる縦長の軸流式ジェットエンジンに比べて寸詰まりなのは、
遠心圧縮という方式を採用してるからなんですが、それにしても短い。
基本的に、ちょっと変わった構造なので、簡単に紹介しておきましょう。
そもそも、燃焼室の先にジェットの排気口が見えません。
一体、どこにあるの?というと…
こんな感じに10本ある燃焼室の中に埋もれてます(笑)。
(ただし写真はW2/700の量産型にあたるロールス・ロイスのウェランド)
ターボジェットエンジンは燃焼室で爆発的に燃やした高圧高温の排気を噴出させる事で
その推力を得ているので、本来なら、あの燃焼室の後方にジェット排気口があるはず。
が、このエンジンでは、このようにフタがされてしまってます。
なんで?と言うと、イギリスのジェットエンジンの父、ホイットルの旦那は、
燃焼室の噴流ををわざわざ前方に押し戻し、中でUターンさせるような形で集めてから、
中央の排気口から噴出させる、というデザインにしたから。
なにゆえ、またそんな面倒な…と言うとエンジンを小型化したかったかららしいのですが、
逆に言えばそれ以外のメリットは全く無く、
構造は複雑になるわ、出力は落ちるわで、以後のエンジンでは
一度も採用されること無く終わります。
さらに時代が進むと、この丸っこい遠心式ジェットエンジンそのものが、
その性能の限界が低かったこともあり、廃れてしまい、
ドイツが開発していたタイプ、筒状の軸流式が主流となって行く事になります。
アポロ10号の指令船、チャーリー・ブラウン。
ちなみに、これとセットにになってる月着陸船の方がスヌーピー。
アポロ計画において、月面着陸直前までの全ミッションの最終確認任務を行ったのが10号でした。
人類初の月面着陸となる11号の2ヶ月前に打ち上げられ、
月周回から着陸船の切り離しまで、着陸以外の全てのミッションを行い、
全行程の最終安全確認を取った機体です。
この成功により、全てがキチンと作動することが確認され、
11号の人類初の月面着陸に繋がる事になります。
ちなみに、なんでこれがここにあるのか、説明は一切ありませんでした(笑)。
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