■もう蒸気で行けるとこまで行くぜ
でもって、順番が多少前後してしまいましたが、
これが例のリチャード・トレヴィシック(Richard
Trevithick)さんが開発した高圧蒸気機関のひとつ。
1805年製のNo.14高圧機関だとか。
1799年ごろ(実ははっきりしないのだ)に初めて高圧蒸気機関の運転に成功した、
といわれ、1802年にはその特許を取得したようです。
これによって、先に書いたような危険性をはらみながらも、
ご覧のように大幅にコンパクトで高出力の蒸気機関が登場することになったのでした。
で、このエンジンの形状から想像が付くと思いますが、
この後、彼はこれを使った蒸気機関車の開発に邁進することになります。
高圧蒸気機関の発明よりも、トレヴィシックさんは、こっちの方が有名かもしれませんね。
1804年、彼が製作した世界初の蒸気機関車の模型。
これはスチーブンソンの有名な蒸気機関車ロケット号より25年も早い記録です。
ちなみにこれに先立って、線路なしで走る蒸気自動車の製作も彼はやってます。
ただし、ご覧のような形状で、実用にはまだ遠く、
結局、実用的な蒸気機関車の登場と鉄道の建設は、
スチーブンソンの登場まで待つ事になるのでしたr。
さて、そんな感じでスチームの嵐を抜けて、ようやく次の展示コーナーに。
…いきなり宇宙です。
ここは宇宙のイメージをやたら強調するためかえらく照明が暗く、
さすがのLX-5でも、あまりまともな写真が撮れませんでした。
なので、軽く行きましょう。
どんくらい軽いか、というとまずこの右側のロケットの正体がわかりません(笑)。
左の奥に見えてるのはブラックアローロケットで、イギリスが開発した唯一の宇宙ロケット。
ご覧のように小型ですが3段まであります。
これは4号機(R4)で、この前の3号機(R3)が1971年10月、
人工衛星の軌道投入に成功してます。
(ちなみに日本初の人工衛星、おおすみより1年以上遅い)
が、この成功直前にイギリスは宇宙ロケットの開発中断を決定しており、
以後、イギリスは宇宙ロケットの技術を放棄してしまうことに。
人工衛星の打ち上げにまで成功しながら、その技術を放棄してしまった珍しい国となります。
ちなみに、日本は宇宙ロケットを開発しながら、
弾道ミサイルを開発して無い、これもまた珍しい国です(笑)。
ロケット前史、という感じで、19世紀ごろまに使われたロケット兵器とか。
ちなみに細長い棒のついてるのは、18世紀にインドで使われてたもので、
(ただしレプリカ)後にこれをコピーした兵器をイギリスはナポレオン戦争に投入します。
手前の刀みたいな形状のものとか、いろんなものを飛ばしてますね、はい。
19世紀初頭にイギリスで使われていたコングリーヴ(Congreve)ロケットと、
それに狙われるスプトーニク(笑)。
1700年代後半、インドにあったマイソル王国(Mysore)を
イギリスの支配下に置くための戦争がありました(4回やってる)。
ちなみにマイソル王国は2勝2敗だったものの、結局、イギリスの支配下に入ります。
ただし、王国は解体されず、1947年のインド独立まで残ってました。
この時、上で紹介したマイソル軍が使ったロケット兵器に影響を受け、
イギリスで開発されたのが、このコングリーブ ロケットだとか。
ちなみにこのロケット兵器はナポレオン戦争はもちろん、
それにつけこんでアメリカが起した1812年戦争(War
of
1812)にも投入されたようです。
(ちなみにこれはアメリカが首都ワシントンを占領されてしまった唯一の戦争でもある)
手前のソ連による人類初の人口衛星、スプトーニクは、もういいですよね(笑)?
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