■そして最初から誰もいなかった



それどころか、エスカレータにも誰も居ない。
ロンドン名物、上と下を常に一直線で結んでしまうため、
えらく長大になってる地下鉄のエスカレータ。
それが人っ子一人いないまま、低くうなりながら動いてます。



それどころか、改札を出ても誰も居ない(涙)。
タイル張りの、けっこう凝った通路で、まだイギリスに金があった時代の駅なんだろうな、
と思うのですが、なにせ誰も居ないので、なんとも不気味。

これで駅を出たら、いきなり神様が立ってて、
いやー、ゴメン、うっかり君を一人だけ残して世界を滅ぼしちゃった、テヘ
とか言われたらどうしよう、帰りの飛行機運賃は神さんが払い戻してくれるんだろうか
などと思いながら、とりあえず出口を目指す。



地上に出たら、鳩がいたので、世界はまだ滅んでないようだ(笑)。

で、この地方の温泉街に作られたローマの凱旋門みたいのが、マーブルアーチだとか。
ヴィクトリア女王時代に建てられた、その名の通り、大理石の門。
が、ここは全体を大通りで囲まれた、交差点の中の真空地帯みたいな場所で、
唐突にこんなのが立ってるのは妙な感じではあります。

もともとはバッキンガム宮殿の正面口(Mall方向)に建てられたものながら、
なぜかバッキンガム宮殿が完成してからわずか5年の1855年、
この場所に移されてしまったんだそうな。
理由は不明。

かつては、王室の馬車が通れないほど入り口が狭かったからだ、と言われていたようですが、
これを嘲笑うかのごとく、例のアタマの弱い旦那とエリザベスII世女王の結婚式の時、
王室の馬車は見事にここを通り抜けたそうで。

まあ、それでも宮殿の門としては狭いよな、と思いますが。



で、この駅の出口は、交差点のど真ん中にあるので、どっちに行くにも道をわたる必要が。
とはいえ、初めて来た場所でどうしよう、と思ったんですが、
良く見りゃ、間違いようがないくらい、公園でございます、という空間が南側に広がってる。
あ、あれがハイド パークか。



はい、というわけでやって来ました、世界でもっとも有名な公園の一つ、ハイドパーク。
ここだけでも、広大な面積を持つ上に、すぐ横にケンジントンガーデンズがあり、
両者で一つの公園みたいなもんですから、
(地図によっては両者でハイドパークとなってるものがある)
そらもう、歩いても歩いても終わらない、という面積になってます。

で、予想通り、徹底的に人間の管理下に置かれた芝生と、
一定間隔に植えられた木による公園。
イギリス式だなあ、というとこで、個人的にはちょっと楽しくない。

まあ、散歩するにはキモチのいい空間ではあると思いますが、
楽しくはないですね。


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