■とにかくいろいろ並べてあった



さて、最初の展示エリアに戻ってきました。
そこにあったダッソー社のマーキュリア(MERCURE)。

ダッソーが旅客機を造ってたというのは初めて知りました。
つーか、どう見てもボーイング737では、これ(笑)。
10機(+試作2機)しか造られてないそうで、当然、そんな機体はよう知りません(笑)。
フランスらしいなあ。



で、その先に小型機がまとめて置いてありました。
ここからは解説板が復活。やれやれ。



最初にあったこの機体、塗装からして民間機だと思ったら、
西ドイツ空軍が使ってたMBB HBF 320 ハンザ(HANSA)という、
えらく長い名前の連絡&練習機だとか。

本来は民間用ジェット機だったらしいんですが、全部で50機も造られてない内、
16機が空軍に納入されたとのこと。
知らないなあ、そんな機体…と思ったんですよ、この段階では(笑)。



で、帰国後に写真を整理していて驚いた。

わかりますかね、この機体、なんと前進翼です。
実用化された前進翼機なんてあったのか!
いやはや、全く知りませんでした。

進行方向にむかって斜め後ろに傾いてる後退翼は軍用機から民間機ジェット機まで、
ごく普通に見られますが、あれは音速に近づくにつれて増大する空気抵抗を
軽減させる効果があります。

いかにも後ろに流れるようなスタイルなので、なんとなくそんな効果があるのね、
という感じがしますが、実は進行方向の空気に対し、
主翼が直角に真正面からぶつからなければオッケーでして、
こういった前に主翼が突き出してる形状でも、全く同じ効果が得られます。

ここら辺の理論は戦前のドイツで開発されたもので、さすがドイツ機!
…と思ったんですが、これどうも設計で失敗して客室キャビンの容積を確保するために、
主翼の取り付け位置を後ろに下げるしかなく、こうなったんだそうな(笑)。

そういや世界初の後退翼ジェット戦闘機、Me262、あれの後退翼も
一種の設計ミスのカバーが目的だったなあ。

…ドイツって…。



その隣にはアメリカ製戦闘爆撃機、リパブリック社のF-105サンダージェットのG。
アホみたいに巨大な機体ながら、エンジンは単発で、
しかも戦闘爆撃機といいながら、実態は中途半端な戦略爆撃機に近く、
いろんな意味で苦労することになった機体です。

G型ですから、ベトナム戦争で最も危険な任務、自らがオトリになって敵の対空ミサイルサイトを
探し出し、そこに向かって突っ込んで行ってミサイルを叩き込む、という任務をやっていた
ワイルド ウィーゼル(野生のイタチ)部隊で使われてた機体です。

ベトナム戦争後は西ドイツに配備されていたようで、1984年に退役した、との事。
アメリカに持って帰るのも面倒だ、って事でここに来たんでしょうか。



アメリカで可変翼が流行ってるというウワサを聞いて、
ソ連がウッカリ造ってしまった可変翼の戦闘機、MIg23のFL型。
いわゆるフロッガーで、本来はMig21の後継機だったんですが、
肝心のMig21がさっぱり引退しないまま、こっちが先に世界の空から消えてしまいつつあります…。

この車輪カバーがソ連機らしいとこでしょうか。
でもって、この機体の来歴は不明。



あれま、こんな機体も。
スウェーデンが1950年代に開発した汎用ジェット機、サーブ J35Aドラケンですね。
スウェーデンは中立国という立場を貫くため、その兵器の多くを独自開発している、
という変わった国で、これ以降もジェット機の自主開発は続けてます。

この機体は1978年にサーブの博物館がくれた、という事らしいです。


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