■どこまでも飛んでゆくザンス



その先には、またも気球時代の展示が。
これが蒸気式のウィンチ車で、蒸気駆動で上部の巻き上げ機をまわし、
浮かんでる水素ガス気球を引きずり降ろすのに使われました。
1885年製とのこと。



第一次大戦期の機体に描かれてたらしいイラスト。
カッコいいような、微妙なような…。



矢印で示された部分についてるのが、
プロペラを撃ち抜かないようにする防弾板。

当時の航空機は木の骨組みに布の皮、という構造ですから、
とてもじゃないが主翼に機関銃なんざ積めないので、
機体が金属で作られてる頑丈な部分、エンジンとかがある
機首に搭載したい、という事になるわです。

が、当然、目の前にはプロペラが元気に回転してますから、
普通に撃ったら、これにガンガン当たってしまいます。

後にプロペラの回転と機銃の発射のタイミングを同調させて、
当たらないようにする装置が開発されるのですが、
それまでは上のような防弾板をプロペラに付けてしのぐ事に。
ただ、これもあまり効果がなかったようで、広く使われることはなかったそうな。

ついでながら、主翼に機銃が積めるならそれでいいや、
ということで、英米の機体は第二次大戦期において、
機首部に機銃を搭載するのをほとんどやめてしまうのですが、
プロペラの無いジェット機時代になると、
待ってましたとばかりに機首の位置に機銃を戻してます。
やっぱり、機体の中心部にあった方が命中率はいいんでしょうかね。

さらについでながら、日本とドイツはかなり後になるまで
レシプロ機の機首に機関銃を積んでおり、
ここら辺は設計思想の違い、でしょうか。




なんじゃこりゃ、と思ったら、カモフラージュ発見用のゴーグルだそうな。

第一次大戦では、各種迷彩塗装、敵の目をゴマかすための塗装の研究が進むのですが、
これはその対策として開発されたゴーグルで、右側の箱にさまざまな色の
フィルターが入っており、これをゴーグルにはめ込むことで、
敵の塗装によるカモフラージュを見破る、との事。

ここは航空宇宙博物館なので、おそらくパイロットが飛行中に使ったんでしょうか。
飛行中に、色つきフィルターをはめて…

…ホントに使われたんですかね、これ…。



ちなみにそんな航空機の迷彩の一例。
これが指令書のようなものなのか、デザイン案みたなものなのかはわかりませんが、
とりあえず、見えない工夫、というのはこの時代から始まってます。

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