■ゲームは一日一時間



ここからは、さらに古いメソポタミア文明になり、
紀元前1500〜6000年、チョー古代から戦国期にかけて、という展示。
左下の男性、よく見ると古代日本(せいぜい西暦0年以降だけど)
の神話の絵などに出てくる、横でしばる男性の髪型になんとなく似てるような…

ついでに中央の女性のレリーフは紀元前1800年ごろの粘土製の女神像。
メソポタミアの恋と戦争の女神(どういう専門ジャンルだ…)イシュタル(Ishtar)、
あるいはその姉妹で冥界の女王、エレシュキガル(Ereshkigal)ではないか、との事。




こちらは古代メソポタミアの楽器。
中央のはハーブの一種で、これは1972年に造られたレプリカ。
右上に見えるのが実際に発掘されたもの(ただし木のパーツは想像復元部分)。



紀元前2400〜2600年頃のゲーム盤。
一種のすごろくらしいです
実に現代から4500年近く昔のゲームで、当時から人間は娯楽を求めてたんですね…。

メソポタミア南部にあった都市国家、ウルの王の墳墓から発掘されたものだとか。
これ単体でなく、いくつか見つかっている、との事ですから、
結構、普及していたのかも。
ちなみに、このゲームは大英(英国)博物館のホームページで遊べます。
興味のある人はbritish musemu the royal tombs ur で検索、
ページが表示されたら、左側にあるChallengeを選んで見てください。
(Shockwaveがインストールされてる必要があります)

ちなみにウルは旧約聖書において、ユダヤ人のルーツとなる
アブラハムが父のテラとともに住んでいた街、とされています。
で、理由は書いてないのですが(つまりロクな理由ではないという事だ)
ここらテラは一族を連れてカナン地方に向かいます。

で、彼の死後、ついにやって来た(笑)ヤハウェが、その息子アブラハムに
カナンをお前とその子孫にやるから、そこに向かえ、と言って
ここからいよいよユダヤ人と主の物語が始まるのです。
つまりユダヤ人は、メソポタミヤ文明にルーツを持ちます。

…いや、そもそも、最初からパパと一緒に目指していたのがカナンじゃん、
というツッコミはなぜか全入らずに(笑)、ここから歴史書としての旧約聖書が
スタートとなるわけです。



これもウルの王の墳墓から見つかった者たち。
上のゲーム盤と同じく、2400〜2600年前のものとされます。

左側のは王の遺骸の右肩の上に置かれていた台(Standard)で、用途不明、というもの。
貝殻を使った見事なモザイク画が施されており、
この時代のメソポタミア文明のレベルが高かったことを思わせます。

写真でこちらを向いてる面には戦車(ウルの馬車戦車は4輪)をはじめ、
戦争に関する絵が、裏側には、市民生活と思われるものが描かれているのが特徴なんだそうな。

で、その右側は有名な、茂みの中の牡羊(Ram in a Thicket)の像。



正面から見るとこんな感じ。

これ、本来はペアだったのですが、なぜかもう一体はアメリカ、
フィラデルフィアにあるペンシルバニア大学博物館(通称Penn)
という変なとこにあります。
ちなみに、そっちらでは茂みに引っかかった牡羊(ram caught in a thicket)という
名前なんですが、どっちにしろ、これはヤギ(Goat)じゃないの、というところ(笑)。

恐らく潅木の葉を食べてる所だと思われますが、
なんでそんなポーズの像が作られ、さらには王の墓にまで
持ち込まれていたのかは不明。
当時、大ブームでもあったんですかね、二本足で立つヤギ…。


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