■右も左も、さらに上までも飛行機



ハリアーも下から見れるので、いい感じ。
これはGR-3との事ですがよく知らないのでノーコメント。
こうして見ると小さいですね、この機体。
垂直離着陸で一杯一杯、という感じはします。

フォークランド紛争に行ったハリアーパイロットの手記とか読むと、
オレにハリアーをよこせば誰にも負けないぜヤッホー!
みたいな事が書いてあったりしますが、個人的にはどうかなあ、と思います。

私が知らないだけで、人類の英知を超えたミラクルステキ装置とかが
積まれているなら話は別ですが、普通に考えると地上部隊への支援、
空母を持ってない敵海軍相手の攻撃機といったとこしか使い道はないでしょう。
ちなみに相手に空母がなくてもイージス艦があれば結果は一緒となります。



そのハリアーのペガサスエンジン。

手前に空気取り入れ用の大型ファンがあるのは通常のジェット機と同じ。
が、後ろのジェット排気の噴出口が4つに分かれてるのがこのエンジンの特徴で、
ここにノズルをつけて噴流の流れを下向きに偏向し、
バランスを撮りながら垂直離着陸するわけです。

飛行時にはノズルを後ろ向きにして推力を得ます。
こう書くと簡単ですが、下向きの噴流を後ろに向けたら、
機体を持ち上げる力が無くなるわけで、この段階で主翼に十分な揚力が発生するくらいの
速度に達してないと、あっさり墜落します。
これが垂直離着陸機の難しいところで、多くの実験機が、
浮き上がるまでは行くのですが、そこから水平飛行に移れずに終わりました。

実用化されたジェット機で単発のエンジンで垂直離着陸と水平飛行が
まともにできるのは、今でもハリアーだけではないでしょうか。



と、ここで突然、目の前を女子学生の集団が通過して行き驚く。
どうもj彼女達も社会見学らしいのですが、男子は全く見かけなかったので、
おそらく女子校のみなさんが、教育活動の一環で戦闘機の見学に来た、という事らしい。
…冷静に考えると、スゴイ話だ。

でもって、イギリスの博物館は入場無料なのでこの手の見学は多く見かけます。
平日なら空いてるだろう、と出かけると、むしろ走り回る子供達の軍団で
エライ事になってる、というのがロンドン周辺の博物館です(笑)。

ついでながら、イギリスの子供は結構人懐っこいので、
アチコチで話しかけられました。
さらに脱線すると、日本人だと言うと何人かの子供が
ああ、ゲームの!という反応を返してきたんですが、これが今でも意味がわからない(笑)。
テレビゲームのこと?と思うが、それなビデオゲーム、NES、ニンテンドーなどと
言うはずで(ビデオコンソロールと言うヤツが居たらマニアなので要注意)、
ただのゲームで日本人がどう繋がるのか、どなかたかご存知でしたら連絡ください(笑)。

ついでに、昔は博物館も有料だったのらしく、最近は有料に戻そう、
少なくとも税金納めてない観光客からは取ろう、という議論が行われており、
滞在中に見た新聞で、何度かここら辺の問題が取り上げられてました。

さて、これでこの棟はほぼ見終わりました。
そろそろ、渡り廊下を通って、となりの本館に移りましょう。



本館の方に入りました。
先ほどの棟と違い、ここは機体の撮影目的で来た人間には泣きたくなるような
暗い照明しかない、という施設。
前回はこれでほとんどの写真を失敗しており、
今回、あらたに地獄のように明るいレンズを搭載したLX-3&5で再挑戦、となるわけです。

で、まず最初は爆撃機ホールに入る事になります。
連合軍は、結局戦略爆撃であの戦争に勝ってしまったような部分があるので
このRAF博物館でも、わざわざ専用の展示棟が用意されてます。

ただし、イギリスはアメリカと違い、最後まで戦略爆撃とは何を目的とするものか、
という点を理解してなかったので、どこか中途ハンパな部分があり、
そのため、戦後もアメリカほど極端な戦略爆撃至上主義にはなってません。

さて、この爆撃機ホール、入り口にはロンドン爆撃を始めとする第二次大戦期の
戦略爆撃の大スジの流れがたどれるパネルが展示されてます。
が、根本的に彼らは戦略爆撃を理解してないので(笑)、微妙にピントが外れてるのはご愛嬌。

まあとりあえず、なるほど、爆撃機ホールだと思い先に進むと…



パーシブル プリンテス(Percival Prentice )複座初等練習機(笑)が。

爆撃機はどうした…って、まあ、後ろに見えてるんですがね。
とりあえず、全体を通じてこんな感じでして、名前のように爆撃機一色の展示棟ではありません。

ちなみによく知らない機体ですが、どうもタイガー モスの後継練習機だったようです。
つーか、この翼端の微妙な撥ね上げが気になるな、この機体。


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