■そして終わる戦争



出口付近には、塹壕から這い出して、これから敵陣に乗り込むイギリス兵の皆さんが。

昼間に出て行ったら、速攻で機関銃によって蜂の巣にされますから、
夜間の出撃が多かったはずで、この展示が暗いのは恐らくその再現のためでしょう。

彼らのうち、何人が帰ってこれるのか、というのが現実ですから、
マネキンさんの表情も暗いのです。

ちなみに、この塹壕戦における犠牲者の数は凄まじいものがあり、
一説には参戦各国の陸上戦闘で死亡した兵員だけの数なら、
第二次大戦より第一次大戦の方がはるかに多くなる、というデータもあるそうで。

さらに脱線しておくと、アメリカが第二次大戦で戦略爆撃を採用しますが、
そのルーツとなったドゥーエらの理論は、この異常と言う他は無い
塹壕戦を回避できる、というのを最大のメリットの一つと考えていたようで、
その後の戦争の形に、やはり大きな影響を及ぼしているのです。



さて、ようやくほぼ見学を終了。
メインホールに戻ってきました。

テーマ別展示に関しては、全体の6割位しか紹介してないのですが、
全部やったらエライ事になる上、展示が暗くて写真の失敗も多く、
とりあえずここまでとしておきます、はい。



さて、現在午後3時半。
10時半前後に入場したので、見学に約5時間かかった計算に。

時間的にはあと1時間くらいは余裕があるものの、微妙に半端な上、
デカイ荷物を抱えて市内を歩き回る気もしなかったので、
博物館内にあったカフェで食事を摂る事に。
実はこの段階で、朝から全く何も食べていないのでした。



が、中に入ってみたら、時間が中途半端だったせいか、サンドイッチやらホットドッグといった
食事系の展示ケースは全て空っぽ…。

トホホ…という感じで、このチョコレートケーキとアップルジュースに。
これで4.1ポンド、520円は微妙な気もしますが、
まあ入館料代わりだと思えば気にならないレベルでしょうか。

ちなみに、意外に味はよかったです。

で、ここで学校の見学で来ていた小学生の女の子達に囲まれ、
キサマはどこから来たのか、そもそもこんなとこに何しに来たのか、
キサマの血は何色だ、といった質問攻めにあう。

日本人がそれほど珍しいとも思えないので、
彼女達の好奇心を刺激してやまないほど、ショボクレたオッサンに見えたのでしょうかね(笑)。

最後に、ロンドンを楽しんでね、と言われたんですが、
おじさん、今日帰るんだよ(笑)。




さて、というわけで、最後の戦場となった戦争博物館を撤収します。

正面から見ると判り難かったですが、ご覧のように奥行きがかなりあるので、
やはりそれなりに手ごわい博物館だったのでした。


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