■ミサイルマニアの楽園で
もはやおなじみ、とも言えるAIM-9L サイドワインダーミサイル。
たしかフォークランド戦争で、イギリスが使ったタイプだったと思います。
サイドワインダーは世界で始めて実戦投入された空対空誘導ミサイルで、相手の機体が発生させる
赤外線(ジェットエンジンの排気口とエンジン周辺部)に向けて飛んでゆくもの。
これの登場によって、世界の空の戦いは大きく変わったのですが。
戦闘機同士の空戦で、コイツを相手にブチ当てるには、
従来通りの格闘戦になるのだ、というのを指摘し、そのマニュアルを作ったのが、
ベトナム以降のアメリカ空軍の戦争を一人で革新してしまったボイドでした。
初期のサイドワインダーの発射条件は意外に厳しく、
命中が期待できる位置、相手の機の一定角度内の後方に、
一定の負荷(G)以下で飛行しながら回り込む必要がありました。
当時、まともなFCS(火器管制装置)なんて積んでなかったF-86やF-100で
これを確実に命中させるには、飛行中にかなり面倒な暗算を脳内でやる必要があり、
ある意味、ただでさえキツイ空中戦を、よりキツイものにしています(笑)。
機体への接続コードと、方向舵翼。
黄色いキャップはシーカー(探知機)の保護用カバーでしょう。
これはイギリス製のスカイフラッシュ空対空ミサイル。
レーダーホーミング ミサイルで、てっきりスパローミサイルだと思ってたんですが、
これはその発展改良型だとか。
ただし、なぜかイギリスのBAeが開発しており、ライセンスを買った上で
改良したんでしょうかね。
ここから、またちょっとロケットモーターに。
ただし、今回はイギリス製となります。
まずはデ・ハビラント製のスーパー スプライト。
このスプライトはSpriteなので、妖精の事で、直訳すると超妖精。
…微妙に、やな名前だな…。
RATO用、離陸時にロケットをつけてその力でガーッと加速して、
一気に離陸しちゃおう、というシステム用に開発されたもの。
RATO用のロケットは、離陸後は切り離して回収するタイプと、
機体に埋め込まれるタイプがあるんですが、これがどっちなのかはよくわからず。
これも大英帝国のロケット、スペクター(spectre/イギリス綴り)。
あっちは妖精で、こっちは幽霊ですか…。
これもデ・ハビラント社製で、例のロケット&ジェット混合機、実験機の館にあった、
サンダーズ ローSR53に使われていたもの。
現物はかなり小さく、これで高度15240m(50000フィート)まで2分12秒で
上がれた、というのだから大したものです。
まあ、上がっただけで終わっちゃうんですが(笑)。
余談ですが、この博物館の説明、単位はフィートとメートルが併記されてる
ものが多いものの、どうもメートルの数字が変(大き目の数字になってる)ので、
今後、行かれる方はご注意あれ。
で、そのスペクター ロケットを2段重ねにしちゃった、
その名もダブルスペクター!
…こちらもRATOやら戦術核ミサイルやらへの搭載が計画されてようです、はい。
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