■だんだん怪しい展示へと



さて、メインとなる航空機とエンジンはほぼ見終わったので、
今度はこの展示棟にいくつかある、隠し部屋の方へ行ってみましょうか。
まずはここ。
ミサイルとロケットモーターの部屋。

この建物は奥の方の左右に、それぞれ隠し部屋があるので要注意なのです。



その入り口にあった展示。
よくわからん、という感じですが、ロケットつながりで宇宙、でしょうか。
でもここ、宇宙ロケット関係の展示はないんですけども…。



まずはロケットモーター関係から。

ちなみに日本語でモーターというと電気で愉快にグルグル回る装置、という印象ですが、
本来の意味はエネルギーを動力に変換する装置で、
日本語にするなら、蒸気機関、内燃機関の“機関”となります。

オートバイをモーターサイクル、
自動車をモーターカーというのはそれゆえで、
エンジンとモーターは本来、同じような意味を持つのです。
なので、ロケットモーターはロケット機関、といった意味になります。

ドイツは大戦中、ヴァルター(Walter)社が開発した、いわゆるヴァルター機関を
ロケット推進装置として採用、戦争の館で展示されてた
Me163ロケット戦闘機などに搭載していました。
ついでに知ってる人は知ってる、ナチスドイツの一発ギャグ秘密兵器、
Ba349ナッターにも使われてます。

写真の109-509はその戦闘機用ロケットエンジン。
ただし、C型とされるので、これは試作だけで、しかも飛ばなかった
Me263戦闘機用に開発されていたヤツです。
(Me163に積まれたのはA型)

よく残ってたな、こんなの…。



これもヴァルターのロケットですが、こっちはAr234ジェット爆撃機や
グライダーが離陸する時、補助動力として使った109-500。

離陸後は切り離され、パラシュートを開いて落下、回収、再利用されました。

ちなみにヴァルター機関は、そのまま噴射してロケットにしてしまうのと、
その力でタービンを回す装置とがあり、後者は後にUボートの推進力として採用されます。
が、どうもイマイチだったようで、イロイロ実験中に終戦となったようです。



ショート社のシーキャット艦対空ミサイル。
ご覧のような小型ミサイルで、射程は3km前後しかありません。

第二次大戦期から使われていた
40mmボフォート対空砲の後継対空兵器として、1962年から採用されたもの。
通常は4発を1セットで使うようです。

ちなみに展示のミサイルは尾部のフィンが一枚欠けてますね、これ(笑)。
本来は十字型に4枚のフィンが付いてます。


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