■さあ前半戦のメインイベントだ



さて、ここからが、常設展示になります。
この先、3つのフロックに分かれるものの、
全長で約60mある、という恐ろしい(笑)展示室がスタートです。
何考えてるんでしょうね…。

で、ここのテーマがenlightenment。

教え諭す、啓蒙、といった意味の言葉で、お坊さんがウッカリ悟りを開いたときなども、
英語ではこの単語を使うようです。

が、ここでの意味は18世紀、この博物館が造られた時代を指します。
自然科学、産業革命、といった科学の時代の幕開けを呼んだ、
いわゆる啓蒙時代です。

なので、ここの展示は、往時の、開館から100年前後の展示を再現してるようです。
このため、自然史博物館独立前の内容とかも含み、
あらゆるジャンルのものが無造作に並べられているのです。

逆に言えば、ここを見ておくと、後から出てくる展示を理解しやすいです。



いかにも古き時代の図書館、博物館という演出に、
この手のローマの彫像は欠かせませんね。
しかも、ホンモノですから、ここの場合(笑)。
ただし後ろにある本棚は純粋な演出で(笑)、本を見ることはできません。

ちなみに、古代ローマはイギリスと良く似ており、文明はあっても文化は苦手でした。
なので、彼らの芸術というのは、絵画も彫像も演劇も、ギリシャからのパクリです。

ただし、中途半端な事はやらず、徹底的にあらゆるジャンルを模倣し、
こういった彫刻類も膨大な数を残してますね。
カタドリしてコピーしたわけではないみたいで、
現物を見ながら複製(模刻)量産したんでしょうか。

これらの彫刻が、いわゆるローマ模刻(Roman copy)です。

実は戦争ばかりやってた上に、何度も征服された
ギリシャの諸都市の彫刻はあまり残っておらず、
我々がギリシャ彫刻だと思ってるものの多くは、
このローマの模刻だったりします。

ちなみに、これはヘラクレス像。



こんな感じで、どっかの館の茶箪笥みたいなケースが壁一面にあり、
それが展示ケースになってます。

とにかくいろんなものが、詰め込めるだけ詰め込んである、という状態なんですが、
解説の無いものも多く、わかる範囲でのみコメントしてゆきましょう。



他にも、自然史博物館にもあった、テーブル型の展示ケースが室内に多数ありにケリかも。

こんな空間が延々と60mも続くってのは、実際に見てみないと、
なかなか理解できないものです、はい。



最初に書いたように、往時の展示の再現なので、
こういった、現在は自然史博物館に管轄が移った展示もあり。

しかし、鉱物好きだなあ、イギリスの皆さん…。


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