■ロンドンでゼロ戦に会う



さて、階段を上がると上の階のテラス部の展示へ。
下のホールに比べると数は少ないですが、それでも航空機、対空兵器を中心に、
それなりに興味深い展示が多いのがここです。



まずはこれ。
原型を維持してる、という点ではかなりポイントが高いことで
私に知られるゼロ戦のコクピットと周辺の展示。
A6M5とされてたので、52型ですね。

この博物館では、Fw190AやらHe162はキチンと全部保管してもらえたんですが、
日本機にはあまり興味が無かったようで、とりあえず邪魔にならないサイズにしてから(笑)
こんな感じに展示される事になったのでした。

ちなみに、この機体のエンジン部が、例のコスフォードにあった栄エンジンだ、
という話もあるんですが、この点は全く確証はないので、参考までに。



この機体の来歴はほとんど不明で、
東南アジアに居た英軍が終戦後に押収したもの、としかわかりません。
機体に書かれたSEAはイギリスの航空機調査組織の東南アジア支部を
意味する略称です(South east asia)。

ちなみに、この塗装はその試験部隊が元々あった塗装の上に重ね塗りしてしまったもので、
これを剥がせば、下にはオリジナルの塗装が残ってるはずです。

まあ悲惨な状態ではあるんですが、その代わりほとんど余計な手が入っておらず、
おそらく世界中のゼロ戦で、もっとも資料性が高いのがこの機体でしょう。

とりあえず、この状態のおかげで主翼の構造もわかるわけで。
左側、後端部にはフラップを作動させる装置が見えてます。



真後ろから機体内部を見る。
これもまあ、この機体以外ではまず見れない部分です。
意外と内部は左右対称じゃないんですが、
これが元々なのか、パーツの欠落によるのかはわからず。

ちなみにパイロットのシートは外されてしまってるので、
操縦席の計器板まで見えてます。



その計器板。

ほとんど原型のまま、とされてますが、
実際にはこの機体、イギリス空軍がテストで飛ばしてますので、
計器類はイギリスのものに置き換えられてる可能性アリ。
私には見分けがつきませんが(笑)。

ただし、塗装とかは変えられてないはずなので、
そこら辺は参考にしていいと思います。

操縦桿の下正面に見えてるプラグコードが差し込まれた箱は
おそらくイギリスの無線装置のような気がしますが、
これも確証はなし。

ついでに計器板の上で、左右に大きく開いてる穴は
7.7mm機銃がはめ込まれていた部分。


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