■戦争のサイズ
さて、お次は第一次大戦期の砲弾大きさ比べ。
左からイギリス海軍のの15インチ(38cm)砲、次が14インチ(35.5)砲。
3番目の黒いのは陸上の榴弾/曲射砲で、ドイツの42cm口径のもの。
その隣が、またイギリス海軍で18インチ(46cm)砲弾。
で、右端にオチのように置いてある巨大な物体は
第一次大戦時の1650ポンド爆弾。
当時は飛行機から落す爆弾なんて造ってませんでしたから、
戦艦の主砲弾を改造して使ってた、という事で置いてあるみたいですね。
左端の15インチ(38cm)砲弾は例の玄関前にあった砲のものですが、
あっちに置いてあった砲弾に比べて少し小さくなってます。
これは徹甲弾(Armor-piercing
shell)だからで、中に炸薬を入れず、
この弾の持つ運動エネルギーで敵艦の装甲をぶち破るものだからです。
いわば金属のカタマリで、実際、これだけ小さくても864kgあり、
玄関先に置かれていた榴弾の880kgとそんなに変わらない重さです。
ここでの注目は爆弾の横、左から4番目の18インチ(46cm)砲弾。
(正確には約45.7cm)
日本の戦艦大和&武蔵に搭載された事で有名なのが46cm口径という
巨大砲ですが、実はイギリス海軍やアメリカ海軍も、
18インチ(46cm)口径の大砲は造ってました。
が、さすがにコレを戦艦に積む気はなく、単発で沿岸砲撃用の
砲艦に搭載して、第一次大戦時に実戦投入したのだとか。
ベルギーあたりのドイツ軍海岸陣地に向けてぶっ放したらしいんですが、
結果は、まともに撃つのも一苦労、という状態になり、
以後二度とこんなバカな砲を造るものか、という話になったそうな。
参考までに爆弾の全身はこんな感じ。
ロンドンのRAF博物館にも同じようなのがありましたね。
で、ご覧のように、実は本体は隣の砲弾たちとそんな大きさに差はなく、
ヤケに大きな安定翼がかなりの部分を占めてます。
写真を撮っていたら、子供が走ってきて、46cm砲弾の前に立ってくれました。
大きさの参考用に載せておきますね(笑)。
さて、海の砲の続きは、ドイツのUボートに搭載されていた105mm砲。
ちなみに第一次大戦時のものです。
当時は魚雷の信頼性が低かったため、確実に沈めるなら、むしろ砲に頼ることが多く、
そういった意味でも十分な破壊力を持つ砲が必要だったわけです。
潜行時に砲身内部に海水が入らないようにする栓。
かなりピッタリと塞がれてましたから、ねじ込み式じゃないでしょうか。
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