■空飛ぶ大英帝国



イギリスの万能機、BE2c。
第一次大戦を通じて飛び続けた機体なんですが、配備開始は1912年と意外に古いです。
二人乗りで、基本的には偵察、爆撃に使われていたみたいですね。

ちなみに名前のBEはブレリオ(Bleriot)の略称だそうな。
なんでイギリスの機体にフランス人の名前が…というと、
当時はこの手の機首にプロペラがあって機体を牽引するタイプの機体を
ブレリオ型、と呼んでたのに由来するんだとか。



ほぼ真後ろから。
胴体の尾部になんだか縫い目のようなものが見えたり、とにかくワイアだらけだったりと、
当時の飛行機の特徴がわかるかと。

尾翼を動かすワイアは全て胴体の外側にあるのだ、というのもすごいな。



で、当然のごとくいらっしゃる、イギリスを背負って立った機体、
スーパーマリン スピットファイアのMk.I。

展示の機体は1940年7月に製造された初期のタイプで、
主翼の上に二本の補強線が入ってます。
あの下には車輪収納用の穴が内部にあいてるので、その補強用。
後に中に組み込まれるようになるので、これがあればMk.Iの初期型、
という識別ポイントにもなってます。



これも有名機、第二次大戦後期のアメリカの主力戦闘機、
ノースアメリカン P51ムスタングのD型。

あまりに有名なので、まあ、ここでは何も書くことはないです、はい(笑)。

ただし、ムスタングは世界中の博物館で見かけますが、
意外にまともな保存機体は少なく、
ほぼオリジナルに近い、と言う点ではスミソニアンの本館の機体くらいでしょう。
ただし、あれも朝鮮戦争時代の装備にされてしまってるので、
大戦時のもの…となると、かなりレストアで手が入ってしまってますが、
ロンドンRAF博物館の機体くらいでしょうか。

むしろ、まともな機体はヨーロッパに多く、ムスタングを見にアメリカに行くのは、
苦労の割には報われないと思います。
民間保管機の場合、レストア中に機体のラインが変わっちゃってるじゃん、
なんてのがゴロゴロしてますから…。

参考までに、この機体はアウトラインはほぼオリジナルですが、
細かい部分はやはりちょっと怪しいです。

ついでに尾翼のシリアルナンバーも適当で、おそらくこの機体は
カナダ空軍で使っていた44-73979号機が正しいはず。

てな感じで、空関係の展示はだいたい紹介終了。
次は海に行きましょう。

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