■大砲天国のラン



で、実はこの展示の戦車は、イギリス人だけは名将だったと主張する(笑)、
モントゴメリ将軍が北アフリカで、指揮、偵察に使っていたものでした。
写真のクセの強そうなおっちゃんがモンティです。
ただのマヌケと考えておいて、全く問題ない男でしょう。

指揮官であるモントゴメリことモンティがこの戦車に乗るにあたり、
無線装置が大幅に強化され、
この結果、37mm砲の搭載スペースがなくなってしまいました。
で、あのダミーの木の棒をつけて置いたのだとか。



こちらは第二次大戦中に造られた、2名まで入れる持ち運び型の防空壕。
どうも前線指揮官などのためのものだったようです。
ちなみに、4名入れる大型のものもあったとか。



第二次大戦時、ドイツの主力対戦車砲だったPak 38。
38という名前ですが、50mm口径です。
ついでにPakはドイツ語で対戦車砲の略。

1941年1月、当初は、例のマチルダ戦車対策として配備されたものの、
すぐに東部戦線でソ連戦車を相手に泥沼の戦いを繰り広げる事になります。

ご覧のように全高が低い砲で、カモフラージュが容易で、
待ち伏せ攻撃などでは、かなりの戦果を上げたとされます。



イギリスの60ポンド砲。
5インチ砲ですから、口径127mmという事になるはず。
第一次大戦期の砲ですが、一部は第二次大戦にも投入された、との事。
展示の砲は第一次大戦終了後、この博物館に寄贈されたものらしいです。

で、この砲はごらんのように大型で、さらに最大射程は10kmを超えてますから、
これはもう地平線の向こう側で、放物線状に弾を撃つしかなく、さらにメインの砲弾は榴弾です。
どう考えても榴弾/曲射砲(Howitzer)じゃないか、と思うんですが、
砲身が長く、かつ水平方向での射撃も可能&威力も強力、
ということで砲(Gun)に分類されるようです。

ただ、ここら辺の分類は、どうも微妙な気もしますね。



これもイギリスのマークIII 5.5インチ(140mm)砲。
第二次大戦の中盤、1942年から実戦に投入され、
戦後も長く使用されていたとの事。

実は、上で紹介した60ポンド砲の後継がこれなんですが、
普通の砲なのに名前が5.5インチと口径表記になっているのは、
60ポンド砲と6インチ曲射/榴弾砲の二つの後継砲として開発され、
Gun としても Howiterとしても使えたからのようです。

という感じで、メインホールの陸戦兵器はだいたい紹介したはず。
今回の本編はここまでにして、次回は空と海編で行きたいと思います。


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