■クールジャパン 1  準備運動編


さて、ペロ君、今回のテーマはロンドンにおける日本だ。

「さいですか」

で、まずは準備運動から。



「あ、これまた日本語の表記があるじゃん。何屋さん?」

美容院だね。右に小さく、ロンドン、東京としてある。
ただし、これは日本人の経営するお店だ。

「Eton cropって名前なのに?」

そんな名前なのにさ(笑)。
ちなみに直訳するとイートンの土地の作物、ってとこだが、
これは1920年代に欧米で流行ったヘアスタイルの名前だ。

「ロンドンに店があるなんて、大したものじゃん」

でもなあ、ここ、大英博物館の真ん前なんだよ(笑)。
東京で言ったら、上野の博物館街の横に美容院がある感じだ。
ギリギリ、ウエストエンド地区かもしれんが、高級でもオシャレでもない地区だぜ。

「まあ、現地の日本人のマダムとかがお客さんなんでしょ」

かもしれんが、周りは英国(大英)博物館に来たオノボリサン相手のオミヤゲ屋さんばかりだ。
妙に浮いてて、ちょっと悲しかったぞ。
ロンドン市内、もっと家賃が安くて、オシャレなエリアはいくらでもあるのに…。

「そこら辺は、個人の価値観の違いだろ」

そういうもんかねえ…



「これは?」

その英国(大英)博物館前のオミヤゲ屋さんの店頭にあったサムライ フィギュア。
下の段のセレブっぽいお姉さんの人形と比べると、なんだか妙に浮いてた。

「なんでロンドンで、お侍さんの人形が売ってるの?」

よくわからん。流行ってるのか、とも思ったが、他の店には置いてなかったし。
例えばアイルランドの西の果から、わざわざロンドン観光に来たおっちゃんが、
これをロンドン土産に買って帰ったら、家族から、どんな反応をされるかね。

「さあね。人によっちゃ喜ぶんじゃないか」

そうかなあ…。
という感じで、今回の準備運動は終了。
さて、では本番に行くぜ。

「…本番?」


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