■アニマル キングダム



紀元前700年前後、エジプト王国が傾きだしたころの副葬品。

左端はエジプト文明を象徴する、太陽神ホルスの息子、イムセティの像。
ただし、この塗装は未完成状態なんだそうで、この頃になると、
既に、いろいろいいい加減だったのかも。

で、右側の4つのアニマル軍団壷は、ミイラを造った時に別にした内蔵を入れる木の壷。
英語表記はCanopic jarでキャノピック壷、という感じなんですが、
日本語表記だとカノポス(カノピック)壷となるようです。

それぞれのフタになってる神様ごとに、担当する内臓が決まっており、
ミイラにされた人の内臓が、各神様の壷に収められていた…はずなんですが、
これの内部はほとんど空間がなく、そんなもの入りそうにないんだとか。

どうもこの時代になると、
昔からこういう壷を入れてたんだから、とりあえず入れておこう
みたいな、副葬品の形骸化が進んでいたのかもしれません。

ちなみに、この4体の神様は、左から例のホルスの息子、イムセティ、
ケベフセヌフ(隼)、ドゥアムテフ(ジャッカル)、ハピ(犬に見えるがヒヒらしい)です。

そういう用途のものでなければ、なかなかラブリーで、ちょっと欲しいな、と思ってしまいます。



こちらも、そういった副葬品の数々。
左がより素朴なキャノピック壷4つ、右はそれらを収めてあった箱。
ただし、この4つの壷と箱は別々のトコから見つかったものです。

壷が紀元前570年前後、箱が紀元前350年から600年のどこか(笑)、という時代だとか。
すでにエジプト、息も絶え絶え、という時期ですから、かなり質素です。



さて、エジプトと言えば、これ。
死者の復活を信じまくって、その遺体に完全長期保存処理をしてしまったミイラたち。

…この博物館、夜に来るのはいやだなあ、と思います。



これは西暦30年前後、少なくともローマ帝国支配下に入った後のミイラさんだとか。
つまり古代エジプト滅亡後のミイラとなります。
そんな時代にまでミイラ造ってたんですか…。

誰だかは不明ですが、えらく男前のイラスト入りとなってます。



これも紀元後100年辺りのミイラさん。
てっきり、カンオケだと思ってたんですが、ミイラさん本体に、
直接この黄金のマスクを被せてあるようです。
身元不明、との事でしたが、それなりの地位にあった人な感じではあります。

ミイラになる以上、いつかは復活するぜ、とりあえずアディオス、アミーゴ!
ってな感じでお亡くなりになったはずですが、
もし意識だけでも戻ったら、2000年後のこの状況、どう考えられるのでしょうか…。


NEXT