■この国の非常事態
あ、違うわ、これ。戦争対策じゃん、とこれを見て気が付く。
この日は休みでしたが、ガスマスクの使い方教室です。
ズラリと並んでるのは上半身の防護服つきガスマスク。
ただの火災でこんなものを使いませんから、
これは北朝鮮が化学兵器を使った場合の対策教室でしょう。
防災用品の“防災”には北朝鮮からの攻撃も含まれるのだなあ、と知る。
再び亀甲船を上から。
…竜骨が無いのはわかりますが、なぜあそこまで後ろに桁が飛び出すんでしょう。
朝鮮半島の船の構造はよく知らないのですが、何の意味があるのやら…。
さて、3階の残りの展示を見てしまいましょう。
次の展示はなんだかえらく地味な入り口ですね。
あ、これ、ベトナム戦争の展示だ。
実は韓国は、アメリカ軍に次いで、
二番目に多くの兵員をベトナムに送り込んでいた国でした。
が、あのベトナムですから、我が軍の恥ずかしい過去なの、ゴメンね、
といった展示内容だろうと思ったわけです。
ところがドンスコイ、全身全霊で、韓国軍ブラボー!韓国軍サイキョー!
ベトコンは皆殺しだぜ!といったノーテンキな展示でして、
ここまで来るとちょっと感動しました(笑)。
ちなみにこの展示、左がいわゆる南ベトナム軍で、
アメリカ政府がバックアップしていた連中です。
が、右側はこれ、その敵である北ベトナム軍ではありません。
この国旗は南ベトナム共和国のもので、
アメリカ支配地域で活動を続けいていた共産主義政府軍です、これ。
なので、あくまで北ベトナムとの戦争ではなく、
南ベトナムの反政府軍との戦いに行ったんだよ、
僕らは南ベトナムの内戦にケリをつけに行ったのさ、という事らしいです。
その憎きベトコンどものアジト、トンネル基地の模型。
俺らがケチョンケチョンにしてやったぜ、という感じらしいです。
ちなみに、この横では当時の韓国軍の活躍を紹介する動画が上映されてたのですが、
なぜか、その中で使われてるBGMの一つがドラゴンクエストのテーマでした…。
なぜ、そんなとこに使う…。
余談ですが、ベトナム戦争には国連軍としてではなく、
単独で参戦したアメリカでしたが、
一人で寂しかったのと、ある程度のバックアップが欲しかったので、
自由世界軍(Free
World Military
Forces)という、
まるでネーミングセンスの無い組織を作り出し、
複数の国家から人員を出させています。
が、さすがに大義名分なき戦争ですから、話は簡単ではなく、
ヨーロッパ諸国は全く協力的ではありませんでした。
あのイギリスですら参加していないのです。
そこで仕方が無いのでアメリカは、無条件で言うことを聞きそうな
太平洋エリアの舎弟国家に強制呼び出しをかけます。
これに巻き込まれたのが韓国、タイ、オーストラリア、
ニュージーランド、フィリピン、台湾でした。
ただし衛生兵を30人だけ、という妙な条件でスペインも後に参加します。
で、他の国はあまり乗り気でなかった中、
どうも韓国では、ついに我が軍も海外派兵だぜ、強国の仲間入りだぜ、
と妙な方向に盛り上がってしまったようで(笑)、
実に48900人もの人員を派兵します。
これは二番目に人員を出したタイの4倍、しかもタイの場合、
自国内の基地での勤務がほとんどだった事を考えると、
異常なまでにズバ抜けた数字です。
この時の韓国の浮かれぶりは、先の屋外展示で見た
戦車やらの鹵獲兵器をわざわざ本国に送り込んでるところからもうかがえますね。
が、当然、その代償は高くつき、
死者約5000人、負傷者約11000人の犠牲を払ってます。
ここら辺りの補償問題とかどうなってるんだろうといつも思うんですが、
あまり問題になってるのを見た事がないですね。
まあ、当時は軍事政権ですから、基本は泣き寝入りなんでしょうが…
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