■ほんとにドンドンやって来た



同じくアメリカのM56スコーピオン。
空挺部隊と一緒に展開できる援護火力、として開発されたもので、
どうも対戦車自走砲(self-propelled anti-tank gun)という
変わった分類にされてるようです。
ちなみに、製造メーカーは高級車で有名なキャデラックだとか。

歩兵ばかりの空挺部隊に、十分な対戦車戦能力を与えるため
開発された車両で、輸送機からパラシュートをつけて落下させるか、
当時のヘリコプターでぶら下げて運ぶかが
運用の前提のため、極めて軽量に造られています。
例のパットン3兄弟が40トンを軽く超えてるのに対し、
この車両はたったの7.1トンとされてますから、1/5以下の重量でしかありません。
ここまで軽いと、かなりの部分がアルミ合金じゃないかと思うんですが、詳細は不明。

それでもM-47&48パットンの主砲と同じ
アメリカご自慢の90mm砲を搭載(完全に同じものではないが)、
その破壊力は対戦車戦も可能で、ゆえにこういった分類になったのでしょう。
その代わり、ご覧のように砲塔はなし(砲は左右に、ある程度回転する)、
それどころかまともな防御は一切なし、という車両で、
実態は、とにかく自分で動ける対戦車砲、という感じになっています。
基本的には待ち伏せ専用だと思うのですが、
ベトナムでは後方活動ばかりで、あまり活躍はしてないそうな。



M36ジャクソン駆逐戦車(Tank destroyer)。
第二次大戦時に開発された車両で、
当時は動力運搬砲(Gun Motor Carriage)という分類でしたが、
近年はアメリカの資料を見ても、駆逐戦車に分類してる事が多いようです。

一見すると普通の戦車に見えますし、この博物館も戦車と説明してますが(笑)
あくまでアメリカご自慢の強力な90mm砲を回転砲塔に搭載しただけの車両で
全体的な装甲はかなり貧弱です。
戦車とまともに撃ち合ったら、勝ち目はないでしょう。
これも基本的には待ち伏せ用の兵器だと思います。

ちなみに、なんだか砲塔の上に板が乗ってますが、
後から取り付けたと思われる屋根でして(笑)、
本来、この車両の砲塔はオープントップ、屋根すらなかったのです。

ついでながら、現地の解説板によると、
韓国軍に最初に配備された戦車、と書かれていました(笑)。
米軍の連中が、大丈夫、これ戦車だから、
とか適当なことを言って韓国軍に供与してた姿が目に浮かぶようです…。



アメリカと言えばこれ、第二次大戦期の主力、
M4シャーマン戦車のA3E8型。

シャーマンの中でも最終生産型となったのが、
このイージーエイト、AE8型で、この角度からでは全くわかりませんが(涙)、
サスペンションなど、足回りの構造が従来のシャーマン戦車とは全く別物になってます。

このイージーエイト シャーマン、既に完全に時代遅れになっていた朝鮮戦争でも、
結構な数が投入されたそうな。



その先に囲いの中に展示されてる、やけに近代的な戦車がありにけり。
どうやらこれが2012年現在の韓国の主力戦車、K-1のようです。

解説板を見る限りでは、韓国で設計された戦車、
というような事が書かれていましたが、
これ、アメリカの自動車メーカーであり、戦車メーカーである
クライスラーの設計で、生産だけが韓国だったような…。



ちなみに、この展示はビックリドッキリメカを兼ねており(笑)、
なんと500ウォンを投入することで動くのです、これ。

ただし説明書によると、週末と祝日のみ稼動、という事なので
平日に訪れた場合は、ダメらしいのでご注意あれ。


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■MOVIE■

その動くK-1戦車をご堪能ください。
(Mpeg1形式です)
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そのK-1戦車のエンジン。
説明は単に水冷V8の1200馬力、としかしてないのですが、
まあ、普通に考えてディーゼルエンジンでしょう。


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