■ソウル駅



さて、個人的に見たかったのがこの駅舎。
赤レンガ、ドームつき、という事で東京駅を連想してしまうとこですが、
こっちは別の人(2人組のチーム)の作品。
そもそも規模としては左右幅は半分以下、というとこでしょうか。
(東京駅は左右幅だと300m近くあるチョー巨大建造物。原子力空母とほぼ同じ長さ)

ちなみに東京駅はさっき見た、韓国中央銀行と同じ辰野さんが設計で、
対してソウル駅は、正直言ってよく知らない日本人と外人さんの合作です。

ちなみに右側の銅像には祖国の英雄、というような説明があったので、
てっきり伊藤博文を暗殺した人だと思ってたんですが、帰国後によく見れば、
姜さんの銅像、となってました。

誰だ、それ(笑)?と思ってあわてて調べたら、ソウル駅で
朝鮮総督相手に爆弾テロをやった人だそうな。
…故国を救うために、長年、抵抗運動を行ったとか、
反日組織を立ち上げて、これが後の韓国政府の母体になった、
とかならわかりますが、爆弾テロ犯が英雄ですか…。

ちなみに、この時は周囲の人もかなりの数、巻き込まれた、とされてますから、
現地の朝鮮の人たちも多数、死傷してるんじゃないかと思われます。
ついでに、ターゲットの総督は軽傷で終わりました。

…余計なお世話かもしれませんが、人選、誤ってませんかねえ…。



現在、この旧駅舎は、なんらかの美術館になってるようでしたが、
イマイチよくわからず、とりあえず、退散することに。



ちなみに、駅前は微妙にさみしい感じ…。
ここら辺りは世界標準ですね(笑)。
余談ながら、鉄道駅前に繁華街が広がる、という現象は未だに日本以外で見た事がありません。
ただし後日、日本以外で初めて見た駅ビルの商業施設が登場します。



さて、再び南大門市場方面に戻りましょうか。
同じ道を通って行ったのではつまらないので別ルートにて。



そしたら例の南大門(崇礼門)修復現場に出てしまいました。
右側の倉庫みたいな建物の中で、現在再建中です。
ソウル駅と南大門は徒歩5分程度の距離なんですね。

さて、余談。
南大門は李氏朝鮮時代、15世紀に建造されたもの、とされてます。
間違いではないし、一応、最低限の形状は維持されて来ていたと思います。

が、最近、出まわるようになった朝鮮戦争時に
アメリカ兵が個人的に撮った写真を見ると、朝鮮戦争終了時には
相当な損害を受けており、かろうじて建ってはいるものの、
ボロボロになった構造部を通して向こう側が見えてます、という状態です。
実際、1960年代初頭に韓国政府は大規模な修復工事をしています。

なので放火で焼け落ちる前の建物は、実質的にはこの時、再建されたもの、
と考えるのが常識的な判断であるように思われます。
よって、中世から現存していた貴重な文化遺産が放火で灰に…とは必ずしもいえず、
良かったのか悪かったのかは別にして、まあ、また再建すればいいよ、という話に。
ただし、屋根の構造とかは当時でもほぼ原型を留めており、その点は残念だったかも。

ついでに、日本だって奈良の大仏殿とか、幕末の写真で見ると、
ほとんど廃墟みたいな状態ですから、まあ築300年を超えてる木造建築物は
あまりオリジナリティとかには拘らないのが精神衛生上、いいのでしょう。


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