その後も4月一杯までは同じような感じだったのですが、5月に入ったころには以前よりさらに時間が掛かるようになり、最後は自力でヒマ種の殻を割れなくなってしまう。以後はヒマ種の殻を飼い主が割って与えていたのですが、それもだんだん食べ無くなる。体重も平均値である205g前後から185gにまで低下、これはまずいと思うものの、他の二匹ほど飼い主に馴染んでないシロはなかなか口を見せてくれないので、歯の状態が確認できません。
うまく餌で誘導して口の中を見ると、あ、明らかに下の前歯が伸び過ぎてる。
これはもうお医者さんに連れて行って歯を削ってもらわねば、と判断しました。この当時はコロナウィルスの関係で自宅待機中だったので近所の獣医さんに電話しまくり、小動物でも診療してる病院を見つけて連れて行ったのが5月12日。街の獣医さんというのは通常、犬猫の診療が中心で、後はせいぜいウサギくらいまでであり、あまり小動物は見たがりません。小さいのはすぐ死んじゃうので怖い、という部分も冗談抜きであるようです。今回はとりあえず不整咬合という判りやすい症状なので見てもらえたのでした。
で、病院では呼吸麻酔をかけて前歯を切断してもらったのですが、上下のアゴの骨が変形して曲がっており、恐らくもう治らない、奥歯も同じ症状が出てる可能性が高いが、治療は困難である、と告げられる。ある程度は覚悟してたのですが、やはりそうか、と思うとちょっと衝撃的でありました。
病院から帰ってきた状態。少し前歯に血がついており、やはり強制的に切断するのは負担があるようです。
でもってお医者さんもデグーに不慣れなため前歯は切られ過ぎ、以前よりも餌が食べれなくなってしまい、さらに飼い主は焦ることに。かろうじて柔らかいレーズン、そして小さくしたピーナッツなら食べれたので、これでしばらく凌ぐと、以後は再び食事は出来るようになりました。ただしヒマ種のカラ割りは出来ないままなので、飼い主が割って与える必要があります。
それでも結局、上下の歯がかみ合ってないままなので、一月もするとまた伸びてしまいます。
病院で見る限りでは暴れないように麻酔して歯を切っただけなので、それなら家でもできるな、と自宅治療に切り替える。
グウ母ちゃん一家は抱っこに耐久性がありますし、前回の治療で約一万円をとられ毎月では厳しいこと、さらに治療では結局、前歯は上手く切れておらず、一時的にはさらに症状が悪化してしまったことで、それなら自分でやってしまえ、と思ったのです。
使ったのはプラモデルなどで使う精密作業用のニッパーで、白を左手で抱え、これで前歯を切断します。少し体を逆さまにすると歯が良く見えるのと、びっくりして大人しくなるのでそのスキに切断してしまうのです。
これが切断後の前歯。
ほぼ理想の長さなんですが、もはや完全にかみ合わせられないので、口を閉じても隙間が開いてしまってます。
ちなみに先に述べたように、切った直後に少し出血する事があり、それなりの痛みはあるようです。実際、切った直後、半日くらいは食欲がなく、元に戻るのは翌日くらいからでした。
が、その後も徐々に症状が悪化し、一月に一度の切断だったのが8月に入ると二週間に一度は切断が必要になり、本人の体の負担も大きく、食欲はなかなか回復しなくなって行きます。正直、もう後はダメなのだろうな、とこのころに覚悟は決めました。
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