■デグーの食事
ウチに来た直後には食べてたイタリアンパセリ(自家製)。
が、今では食べなくなりました。好みが変わった、というよりも、
最初は何がなんだかよく判らんまま、ダマされて食べてた、という感じでしょう(笑)。
いろんなものをもらって、知恵がつくと、こんなんいらんわ、となったのだと思います。
栄養あるんですけどね、パセリ。
ちなみにデグーは草食系齧歯目で、雑食ではありませぬ。
このサイズの哺乳類が完全草食、というのはかなり信じがたいのですが、事実のようです。
ただし小麦などの穀物も食べますから、でんぷん質の消化、吸収はできてますね。
で、まずデグーが生きてゆくのに必要なカロリーを考えないとエサをやるにも量がわかりませぬ。
これはハムスターの所でも書いたRER(Resting
Energy
Requirement)、
安静時必要エネルギーとして計算でき、基礎となる数字を求める事ができます。
ただし本来kg単位の体重の哺乳類に対して適用するものなので、
165gとデグーの中でもかなり小柄といえるウチの灰色ネズミに適用するのは
簡単ではないのですが、判断材料にはなりますから計算してみましょう。
とりあえず必要最低限の消費エネルギーを求める式は、
√(√(体重kg×体重kg×体重kg))×70=RER
でした。
体重を3回掛け算(3乗)してそれの平方根を2回求めてるのは、体重の0.75乗(3/4乗)を求めてるから。
さて、これを165gのウチのデグーで計算してみると、約18kcal となりました。
消費エネルギーからすると、かなり経済的な生き物です。
ただし、これは寝て暮らすような場合の最低限のエネルギーですから、
一定の倍数を掛けて実際の日常生活における必要量を出します。
この辺り、どうも小型になるほど必要量は増えるようで、犬猫だと1.2〜1.5倍なんですが、
ウチのハムスターでは2倍近い数字を掛けてエサを与えても体重は一定となってます。
となると、一日20時間近く寝てる(笑)ハムスターより長時間起きていて、
その半分近くで外で遊ぶか回し車を回してるデグーは
かなりの運動量になるはずで、もう少し大きい数字になると思われます。
とりあえず我が家では2.2倍し
18×2.2=39.6kcal
よって必要エネルギー量を約40Kcal 前後と判断しエサを与えています。
当初、我が家に来た直後は150gしか体重がなくて飼い主を狼狽させたのですが、
この状態で3日後には160g、10日後には165g前後となり、以後、体重は安定してます。
…してたんですが(笑)、それから約1か月半後、急に体重が増え始め、
18日間で23g近く太ってしまい、現在188gほどになりました。
どうも前の飼い主の所での妊娠疑惑があるのですが、それにしては体重の増加が緩やかなので、
●エサの量が間違っていてただの肥満
●2〜3匹というデグーにしては少なめの妊娠
のどちらかだと思われます。デグーの妊娠期間は3カ月とされるので、
あと2週間以内に結論はでますから、その辺りはまたいずれ。
さて、必要カロリーが判ったので、具体的なエサの内容を考えましょう。
まずデグーのエサのメインは牧草と説明されてるのが普通です。
ただし、この点は疑問が多いので、個人的には全く信用してません。
デグーはハムスターと違って、野生種の写真や映像がそこそこ存在します。
それらを見る限り、地面をはい回りながら何かを食べてるようで、
草の新芽、草の実などが主食のように見えます。
少なくともかなりの背丈と太さになる牧草のような草を食べてませんし、
デグーの体長と姿勢からして、そんな大きな草は食べようがないでしょう。
また、そういった草が生えてるような住環境ではありません。
草原に住むウサギや羊、野生馬とは住環境が違うのです。
(チリ太平洋岸の半乾燥地帯に住むのだ)
とはいえ、ペレットを別にすれば、現実的なデグーのエサは牧草しかありません。
キャベツなどの野菜もありですが、草に比べると繊維質が少ないのでこれだけではだめでしょう。
(繊維質が必要な理由は後述)
なので基本的なエサはウサギやモルモット用の牧草、
ティモシー(イネ科)、そしてアルファルファ(マメ科)となります。
いろいろあって、個人的には、これではダメだ、という結論なんですが、現状、
自分でクローバーなどを育てるしか手がないので、当面はこれで行く予定。
が、牧草のカロリーはなぜか日本とアメリカのデータが微妙に異なります。
チモシー、アルファルファという代表的な牧草の100gのカロリーだと
日本の農林水産省などのデータでは390kcal 前後、
対してアメリカの牧畜系サイトで公開されてる数字だと350kcal となってます。
10%以上の差があるのですが、ウチではその中間を取って370Kcal前後と判断してます。
となると、10gも与えればほぼ十分(37kcal)で、あとはキャベツやペレットのオヤツで補充でしょう。
では、10gの牧草とはどの程度なのか。
100円ショップで買った容器、直径8p×高さ4pで牧草を与えてますが、
これにギリギリ一杯まで詰め込むとだいたい5gとなります。
となると、朝夕2回、これに一杯の牧草を与えればいいはずですが、話はそう簡単ではありません。
まず、デグーは牧草をかなり残し、残したものはその後もほとんど食べません。
キャベツやニンジンなどの野菜類、ハイビスカスの花と葉は残さず食べますから、
本来、デグーに適したの食事ではないのだと思います。
実際、かなり細かく調べたのですが、以前は食べてた部分を次では残してたりするので、
食べれる分をより好みしてるわけではなく、気分で残してるのではないか、という感じです。
また、一気に食べて全体の2/3近く平らげる事もあれば、逆に全体の1/3も食べず、
それでおしまい、という事もあるのです。
このため、与えた量の1/2を食べれば上出来、と考えねばなりません。
結局、現在は3回の給餌で15gを与え、7gを摂取した、と考える事にし、
25kcal
のみを牧草で取らせて、後はペレットで10Kcal、残りの5Kcalは
おやつのキャベツやヒマワリの種で補う、という形になっています。
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