お嬢は当初、やや小さめのカゴに入ってもらっていたのでよく散歩に出してました。そしてやや離れた所からじっと飼い主を観察してました。あなたがデグーを覗く時、デグーもまたあなたを覗いているのだ、というヤツです。

ちなみにデグーはそこまで散歩が好きではなく、十分な広さのカゴに(フェレット用とか)回し車と空中渡り廊下(足場の板)を付けて置くと、それほど外に出たがりません。ただし好奇心の強い個体は別で、デイお嬢、トクさん、金曜は外に出るのが好きです。それでもオヤツの方が脳内ランキングが上なので、カゴの中でオヤツを与えるようにしていると、呼べば自分から帰って来ます。



お嬢は牧草をそれほど食べない子でした。最終的に特定メーカーのチモシーなら食べるようになるのですが、この点は苦労した記憶が。ちなみに来団一月後位の写真で見ると、驚くほど痩せていてびっくりします。前の飼い主さんは引き取る時、デグーは草食ですよ、とおっしゃっていたので、恐らく牧草と多少のペレットくらいしか貰ってなかったのだろうなあ、と推測します。その状態で牧草を食べたがらないお嬢ですから、おそらく栄養が足りて無かったのでしょう。実際、来団時の体重は約150gだったのが、最終的には180g前後で安定するようになります。とっくに成獣になってる年齢ですから、成長ではなく栄養の問題でしょう。

この辺りは前の飼い主さんの非ではなく、当時出回っていた情報ではデグーは草食、とやたら強調していたからでしょう。イギリス系の情報をそのまま和訳した結果でしたが、関係者は全員地獄に落ちろと筆者は考えております。チリの自然科学院などのレポートを見れば穀物、木の実をかなり食べると言うのは直ぐに判るのに。

繰り返しますが、荒野に生きるデグーは他に食べるものが無いから草も食べるようになった、と考えるべきで本来なら雑食に近い食性を持ちます。さすがに動物性たんぱく質系のものには興味を示しませんが、それ以外のものは何でも食べてしまいます。ただし、なにせすぐ糖尿病になる生き物なので(当初は糖尿病研究の実験動物として飼育が始まった)、糖質の高いものは与え過ぎに注意ですが。




散歩中に飼い主のとこにやって来て、あらあら、貴方はわたくしにオヤツも与えずに何をしてるんですの、と問いかけて来るのがお嬢でした。仕方ないのでオヤツを与えると、これ以上は無いアザトいポーズで、目の前で食べます。この子は絶対自分が可愛いって知ってるよな、と思ってました。



とにかくデグーとしてステキなお嬢の子供が欲しいな、と思ってトクさんをお婿さんに向かえたのが2019年の夏。同年の秋に流産があり、筆者はちょっと絶望したのですが、翌2020年の春が来る頃に急激に体重が増え、妊娠確定となります。徐々に丸くなって行くお嬢は、今まで以上に食欲旺盛になりました。 



丸い丸い、食べる、食べる。出産直前に体重計ったら、恐らく八匹妊娠中と判明。今回は里子に出す気は全く無かったので、飼いきれるかなあ、という不安を感じながらの出産待ちとなりました。まあ、今なら何の問題も無い、と断言できますが、当時はそんな数、飼った事が無かったですからね。


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