お次は斜め下から。

主翼の前が黄色く塗られてるのは日本機の特徴の一つですが、
正面から見た時の、敵味方の判別用の塗装です。
基本的に陸軍、海軍ともこのルールは共通だったはず。

主翼から飛び出してるのは20mm機関砲の発射筒で、
これは左右の両翼にあります。
対して先に見たピトー管は左翼のみです。

主翼端の前部に付いてるのは翼端灯。
右翼なので青のはずですが、ちょっと色はよく判別できませぬ。

これは視界が暗い、あるいは悪い時に点灯して、
周辺の友軍機との衝突を避けたり、
地上や艦上の友軍に対して自機の位置を知らせるものです。
現代の旅客機にも必ず付いてますから、見た事のある人は多いでしょう。

さすがに作戦行動中は消していたと思いますが、詳細は不明。



少しずれた角度から。

ここは照明が完全に逆光だったり逆に明る過ぎたりと、
撮影に厳しい場所なんですが、LX-7というカメラはそれでもキチンと撮影しちゃいます。
ポケットに入るサイズのカメラがここまで来たかとこの写真を見たとき感動しました。



主翼を下から。
主翼下、二つ見えてる丸い出っ張りは主翼に収容した
20mm機関砲の構造の一部が出っ張ってしまうため、
それを収容するために造られたもの。
同じ52型でもこれが無い(機関砲の給弾方法が変わったらしい)ものもあります。

その右側に細長い四角いフタがあるんですが、
これが20mm機関砲の薬莢を排出する排莢口のようです。

機体の真ん中、胴体下に開いてる穴は増槽、
増加燃料タンクのためのもので、
ゼロ戦の増槽には上からパイプが生えており、
それをここに差し込むようになってました。

ただし、この場所には爆弾も積めたはずなので、
この穴も爆弾の固定に利用されていたはずですが、
詳しくはようわかりませぬ。

主脚のカバー部に見える青、黄、赤の棒状塗装は機体の荷重を見るもの。
あの部分と車輪のカバーは別パーツなため、
燃料や武装を搭載して機体が重くなり、油圧の緩衝装置が沈み込むと、
あの棒塗装が少しずつ車輪カバーに隠れるようになります。

なので、その時の沈み込みの量によって、
どの色が見えるか、変化するようになってるわけです。
この時、青が見えていればまだまだ余裕、黄色なら要注意、
赤しか見えなくなってるなら
こんなに積んで飛べると思うかこの野郎、といった意味になるわけです。
ただしこれ、現場での塗装は赤青だけだったという話もあり、
必ずしもこの塗装が正しいとは言い切れませぬ。

ついでに主脚の車輪が完全にカバーされて全く見えなくなってるのも注目。
日本機ではよく見る構造ですが、
最高速度が600q/h すら出ない機体で、こんな事やってるのは
日本機ぐらいで(さすがに一式戦 隼はやってないが)、
Me-109、Fw-190m、F-6F、スピットファイアと
むしろ車輪の下半分はむき出し、といういのが普通です。

まあ、よほど空気抵抗に気を配ったんでしょうが、
後で見るように、それ以外の部分がかなりアレですから、
重量増えるわ生産工程は増えるわで、メリットないように思いますよ、これ。



参考写真。
これはスピットファイア ですが、ご覧のように車輪下半分はフタ無しのむき出しで、
これでもゼロ戦なんかよりずっと高速が出てました。
Me-109、FW-190、F-6Fなども同様ですね。



水平尾翼と機体尾部。

細長い穴は空母に着艦するときに使う着艦フックの収容部。
その後ろの穴が尾輪の収納部。
こうして見ると徹底的に空気抵抗を減らそう、と考えていたのが判ります。
判るんですけどね(笑)…。

ついでにゼロ戦の尾翼の昇降舵(エレベータ)はどうも
他の機体に比べて、やや小さい(狭い)印象がありますね。
その昇降舵の胴体側に付いてる小さい板は
機体の姿勢を一定に保ちながら飛ぶためのトリムタブ(エレベータ タブ)。


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