真正面から。
カウル上部の空気取入口左右についてる成形板の形状がよくわかります。

ついでに、この空気取入口、水平なのは見てわかりますね。
そしたら、今度はカウルの分割部を見てみましょう。
これは、右の方が明らかに高い位置にあるのがわかるでしょう。
理由は知りませんが、ゼロ戦のカウルは水平にニ分割されるのではなく、
こういった感じで斜めに二つに分かれるようになってるのでした。

ついでにプロペラシャフトも唯の筒ではなく、
内部に補強用と思われる三角の部材が入ってたりして、
意外に複雑な構造となっているのが、わかるかと思います。

で、このエンジンで最大の謎が、
減速器の上の出っ張り、その右側に見えてる、銀色の横棒です。

なんだこれ(笑)。
こんなトコに、こんなパーツが付いてるのは初めて見ましたが、
このエンジン、ほとんど手が入ってないはずなので、最初から付いてた可能性はあります。

整備用のパーツか何かかもしれませんが例によって詳細は不明。
この機体以外で、写真等でこれが確認できるのは、
サイパンで鹵獲され、空母で運搬される零戦の写真の中で、
一機だけカウルの無いのがあるのですが、
それにかろうじて同じようなものが見えてるくらいでしょう。



カウルの取り外し部分。
4箇所ある固定部には?字型の特殊な金具が下のカウルについており、
これで固定した上で、小判型のパーツでフタをしてネジ止めするようになってます。

ちなみに、カウルに残ったカーキグリーンのような色が例のATAIU SEAの塗装色で、
その下からチョコチョコと見えてる黒い部分が、オリジナルの塗装となります。



反対側から。
こちらは下カウルの固定用金具が4本とも残ってます。

先にも書いたように、後部のエンジン懸架金具が残っているので、
展示用の台車にも、それを使って固定されてるのが見えてます。
これはVの字型のアーム4本でエンジンを支えてるのですが、
こんなんで大丈夫なのか、という感じの意外に細い棒が使われており、驚きました。




そのエンジン横周辺アップ。
カウルの留め金具が?字型なのがわかるかと。

プラグコードがシリンダーヘッドをまたぐ場所には、耐熱用なのかチューブが置かれてます。

と言う感じで、機首部まわりはここまで。
次はロンドンにある胴体部分に行ってみましょう。


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