水平尾翼とか。
細かく書き込まれてるのは、この機体の製造番号、16336。
尾翼から手前に飛び出してるタブに書かれてるのは、ナルワサではなく、
右から読んでサワルナの文字。
自爆装置にでも繋がってるんでしょうかね、これ。
この手の注意書き、主翼のもそうですが、
胴体側から読むのがオキテらしく、こっちでは主翼の注意はナムフ、という表記になってます。
エンジンと機体の接合部。
機体上面はぐにゅっと捻じ曲げて、エンジンに繫げてますが、
その下、胴体横は平面でエンジンまで繋がり、そこに出来た段差の奥に
排気管がずらりと並びます。
この排気によって機体横の段差でできる空気の渦を吹き飛ばし、
誘導抵抗の発生を抑える、との事らしいです。
ドイツのFw190が最初にやったスタイルで、ホントにそんなに巧く行くのかな、
と言う気もしますが、五式戦だけでなく、イギリスのシーフューリー、テンペストII、
さらにはソ連のラヴォチキンなどもこのデザインをパクってますから、
何らかの効果はあったのでしょう。
余談ながら、マフラーをかまさずに、最短距離でシリンダーから排出される
排気は、これは気流なんてものではなく、パルス状の衝撃波となります。
なので、あそこから水のような流れで空気が流れ出るのではなく、
極めて短い間隔を開けながら、氷の塊がポンポン撃ちだされているような状態に。
なので、気流を整える、というようりは渦を吹き飛ばす、というのが実態に近いでしょう。
風防とキャノピーのアップ。コクピット内もレストアされてるらしいのですが、
有機ガラスがご覧のように傷だらけで内部はよく見えず。
よく見ると、ガラスの前部に孔が開いてますが、これが割れたものなのか、
三式戦にもあった明かり取り用の切り欠きなのか、よくわからず。
(ただし三式戦の場合、五式戦にない三角窓に付いてる)。
ちなみに、前部の風防がなぜか横に飛び出してる、というのが三式戦ニ型以降の
変な特徴なんですが、わかりますかね。
よくわからん、と言う人は下の写真をご覧アレ。
コクピットを斜め下から。
この写真だとよく判ると思うのですが、コクピット前部にあるガラス部、風防がわずかに胴体横に張り出して、
その後ろのキャノピー可動部に繋がってます。
なんでこんな妙な構造になったのかは謎ですが、これが飛燕ニ型以降のコクピットの特徴の一つです。
その前でチョコンと飛び出してる小さな筒状のパーツは、多分コクピット内の空気取り入れ用のもの。
ついでに、カウルフラップの接合部の構造などもご覧アレ。
少し離れた状態でコクピット方向を。
こうして見ると、五式戦の機首部の上面パネルは、Fw190並みにガタガタですね。
何もそんなとこまでマネせんでも…。
ついでに主脚カバーのパーツがちょっと変わってるのにも注目してね。
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