日本機といえば、これ(笑)。

整備時に強度のない部分に人が乗らないよう、書かれた文字で、
左から読んでフムナ、踏むな、ですね。
No Step という事なんですが、こんだけ大きく書き込んでる機体も珍しいような。
よほど不安だったんでしょうか…。 

その文字の上、主翼の上面に小さな出っ張りがありますが、
これは12.7mm機関砲の後尾、少し上に飛び出してる部分のカバーで、
よく見ると、小さなガス抜き用の穴があります。
機関砲の発射時の火薬燃焼ガスと言うのは結構な量と勢いになるらしく、
こういったガス抜きの孔は必須のようです。



主翼の付け根付近。
こうして見ると、ホントに仕上げがキレイな機体ですね。
胴体横の主翼上にある反射の鈍い部分は、コクピットに上るための滑り止めゴム。



機体後部のアップ。
この適当感溢れる後輪は、これも不時着時に付け替えたものだと思ってたんですが、
どうもオリジナルっぽいですね。

左右に飛び出してる棒は牽引用の金具を引っ掛けるためのものです。
あれにY字型の牽引棒を引っ掛け、後ろ向きに引っ張って行くことになるんですが、
日本に機体牽引用のトラクターがあったとは聞いたことが無いので、
人力だったんでしょかねえ…。

水平尾翼の昇降舵(エレベーター)を動かすものらしきロッドが隙間から見えてるほか、
胴体と垂直尾翼を滑らかにつなぐためのパーツの形状もよくわかるかと。
ここら辺は、グラマンの戦闘機のように、下の表面板の上に重ねて取り付けてます。



機首部アップ。

エンジンの熱を逃がすために開閉するのが、カウルの後ろで少し開いてるカウルフラップで、
空冷エンジンには必須のアイテムとなっております。
まあ、中には付けてない機体もあるんですが、その代表格、ドイツのFw190は、
おかげでエンジンの熱対策に最後まで悩まされる事になるのでした。



反対側から。

プロペラスピナーの前にある出っ張りは、あそこにフックを引っ掛け、
エンジン始動車でプロペラを回し、エンジンをかけるためのもの。
そもそもはイギリスが始めた方法なんですが、
第二次大戦期には火薬式、その後、電動のエンジンスターターを
積むのが英米の機体では普通になって行きます。

このため、この展示機があったRAF博物館に展示されてたエンジン始動車の解説には、
ソ連や日本じゃ、これを第二次大戦中も使ってたんだぜ、笑っちゃうね、みたいな事が書いてありました…。
フフフ、使っていたどころかドイツが降伏するような時期に登場した戦闘機でも現役だったんだぜ。

この写真だと、主脚の収納部の横、胴体右下にある燃料冷却器がはっきり見えてますね。
あれ、よく見ると、なんか白いフタがされてるな。
本来は、オイルクーラーのように、蜂の巣状の装置なんですが。

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