今度は斜め上から。
この機体、私が見たことのある現存する日本機の中では、コンディション、オリジナル度ともに
かなり高い部類に入るのですが、それにしても機体全体がキレイです。
アメリカにある紫電改2機、さらに晴嵐などは表面がボコボコで、ボール紙で造ってるんじゃなかろうな、
という感じがするんですが、この機体はそういった部分がありません。
これがイギリスの管理がいいからなのか、川崎の機体は元々頑丈なのか、どちらなのかは、私にはわかりませんが。
やや正面よりから。
写真ごとに結構色味が変わってしまってますが、おろらくこの写真の色が肉眼で見た場合に近いです。
もっとも、我が家のモニターで見た場合、の話なので、あくまで参考までにですが。
機体前半部のアップ。
エンジンカウル上面は20mm機関砲用の孔を中心に、
えらく有機的な、ヌメっとしたデザインになってます。
その孔の後ろ、取っ手のようなものが見てる上面パネルまでがエンジン整備用のもので、
コクピット前にあるスリット(機銃の発射ガスを吐き出すためのもの)
の付いたフタが20mm機関砲のアクセスパネル。
胴体横、少し開いてるカウルフラップの横、縦に2本のスリットが入ったパネルも、
エンジン整備時には外れるようになってます。
コクピットの下、左右に走る緩やかなカーブの線がうっすらと見えてますが、
あれが五式戦になって付けられた整形用パネルの上縁部分。
で、後で紫電改のページを見てもらうと判ると思いますが、
ホントに日本機とは思えないほど、キレイな表面の機体です。
まあ、普通に考えると、紫電改があまりにヒドイのだろうな、と思いますが…。
コクピット部分のアップ。
日本機らしい枠組みだらけの風防(コクピットの正面のガラス)とキャノピー(天蓋 コクピットを覆うガラス)が
実にいい感じだぜ、と感じられるようになれば、大抵のことは気にならなくなるでしょう(笑)。
中島の機体では、あれだけシンプルなキャノピーが造れるんですから、他のメーカーでも何とかならんかったのか…。
中島で造るゼロ戦は中島式のキャノピーにしちゃえばいいのになあ。
で、そのキャノピー(天蓋)の開閉部分のレールが機体のラインとは微妙にずれてる方向を向いてるとか、
その下に見えてる赤いボタンが付いたバーは、搭乗時に使う引き出し式の取手だとか、
主翼付け根の上の点検用パネルが少し開いてしまってるとか、そこら辺を見ておいてくださいませ。
あ、あと主翼の上には、主脚がちゃんと下りてるよ確認棒が、飛び出てますね。
胴体後部。
この機体は、胴体後部に向けてあまり絞りこまれていない、という妙な特徴があります。
直進安定性を確保したかったのか、という気もしますが、理由は不明。
まあ、土井さんの設計ですからね…。
ついでに、コクピット後部の赤い丸は手前が胴体内燃料タンク、
奥が油圧用の油タンク入れのものだったはず。
で、実はコクピットの内部にも、なんらかの給油口が薄っすらと見えてるんですが、
これに関しては正体不明。
NEXT