胴体周りを後ろから。
この辺りはすでに頭を潰して平らにした枕頭鋲など全く見当たらず、
出っ張ったリベットだらけです。

さらによく見るとスピットファイアの背部分の外板は胴体の外板に対し上から被せ、
その一部が重なったままリベット打ちされてしまってます。
スマートな印象があるスピットですが、ここら辺りの工作手順はかなり無骨ですね。
というか、どうも胴体後部の無骨さは、ある意味グラマン的なものすら感じます。

手前の赤く四角い部分は信号弾発射口。
この中に6連装信号弾の発射器が入っており、必要に応じてコクピットからの操作で打ちあげます。
赤いのは機関銃と同じ封印用のシール。



コクピットを横から。
正面の分厚防弾ガラスの枠、その上のバックミラーなどがよくわかります。
左に開けられたキャノピー(天蓋)の上に見えてる赤い玉は脱出時、キャノピーを強制投棄するレバー。
同じ場所にキャノピー固定用のレバーもあります。

やや暗くて見づらいですが、操縦席後ろの窓から、背もたれ防弾版後に取り付けられた変圧器が見えてます。



コクピットを後ろから。
バックミラーは車庫入れ用ではなく、後部視界のないスピットファイアで後方警戒用に付けられたもの。
丸型、四角型いろいろあるんですが、どういう基準でそれらが選ばれていたのかは、よくわかりませぬ。
ちなみに近代ジェット機なんかでも、コクピットの中にバックミラーが入ってる機体はあります。

手前のキャノピー(天蓋)の下に何か配線のようなものが見えてますが、これは先に見た脱出用レバーを引くと、
このヒモが引っ張られて、中の固定具が引き抜かれキャノピーが吹き飛ぶようになってるもの。
投棄用の火薬とかは無いので、風圧か手で押しのけて吹き飛ばす必要がありますが。



機首部をアップで。
各外板の繋がりは意外にぼこぼこで、
必ずしも滑らかな仕上がりでは無いのも見ておいてください。
フィッシュテール型と呼ばれる排気管は
排気ガスを推力に使おう、という装置ですが、どの程度効果があったのかは不明。

エンジン上部はマーリンエンジンのシリンダーヘッドを収納するため、
最先端部までほとんど絞り込まれておらず、意外に角ばった印象の機首になってます。


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