お次は真後ろから、少しだけずれた位置から。
まあ、普通に生きてる限り、一生こんな角度からスピットファイアを見ることは無いでしょうね(笑)。
これ、10年以上、ぶら下げたままらしく、ホコリが積もってしまってるんですが、
それがまた妙な本物感を演出してます。

ついでに少し膨らんだキャノピーもよくわかるでしょう。



すこし横後方。
個人的にはこの角度が一番カッコいいかなあ、と。
主翼と胴体をつなぐフィレット(接合部外板)がかなり大きく、
手前に向けて扇形に広がってるのも見といてください。

よく見ると尾翼の舵面にいくつかの補修跡、パッチが見えてます。
この機体が実戦を潜り抜けてきたものである、という証でしょう。



やや上から。
少し望遠気味なので、ちょっと画面が圧縮され、ややスピットらしからぬ雰囲気に。
こうして見ると、キャノピー(天蓋)が膨らんでる、というのもよく判るかと。

主翼の上に二本の棒が見えてますが、これは主翼補強用材(wing strengthener)。
スピットファイアの主翼は先に書いたようにいろんなものを詰め込むスペースが入ってるんですが、
入れすぎてしまった、という面が無くも無く(笑)、
特に車輪収納部の大きな丸い穴は強度の面で不安を抱えてました。
(穴の部分には桁がないので、大きな力が掛かると耐え切れない)

そのため、長期に渡って運用されていた機体では、この部分のリベットや桁に
ヒビが入ってたりするそうで、その場合、この補強材をつけて飛行を続行したのだとか。
さすがにそれで空中戦は無理だと思うんですが、
この機体のように教育部隊に送られたもののみの処置なのか、
それ以外にも普通に見られたのか、どうもよくわかりませぬ。

ちなみにMk.V(5)までは確実にこの補修が見られるのですが、
以後のマーリン60シリーズ搭載スピットでは見られなくなります。
どうもMk.IX(9)では以降では最初から車輪収容部の上部内壁(つまり外から見えない)に
二本の補強材が入ってるようです。



ちょっと斜め後ろから。

ここあたりは普通の焦点距離で撮影してるんですが、
意外にスピットらしからぬ印象を受けます。
このまま絵にしても、なんだか似てない、と言われてしまいそうな気が。
多くの機体は、ほとんど同じような角度からばかり写真が撮られてるので、
そういった事になってしまうんでしょうね。

ついでにコクピットの風防の上に飛び出したバックミラー、
ちゃんと鏡が入ったままなのも見ておいてください。


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