機首部をやや前から。
防弾ガラスが内側に移動したため、
コクピット前の風防があっさりした印象になったのにも注意。
少しアップで。
ドイツのジェット機もそうですが、この機体も相当丁寧に機体表面を仕上げてあり、
(繰り返すがこのレストア機はちょっとやり過ぎだだと思うが…)
ゼロ戦や紫電改のヘロヘロで凸凹な機体外板を知ってる身としては、なんとも身につまされるものが。
紫電改の主翼の凸凹なんて、あれはなあ、もう…。
ラジエターや、機首下の過給器(エンジン)空気取り入れ口をややアップで。
左翼付け根に開いてる穴は、例によってガンカメラ用のもの。
良く見るとラジエータ内部が銀色のパーツで二分割されてるのが分かるかと。
左側の面積が広い(約2/3)のがラジエター、右の狭い部分(約1/3)が、こちらの左翼だとオイルクーラーです。
右翼側の場合、オイルクーラーの代わりにインタークーラーの冷却機が入ってます。
ちなみに、Mk.VII(7)以降の後期型スピットでは、ラジエターの熱で空気を暖め、
これを主翼の機関銃の本体まで導いて、低温度の高高度で機関部が凍結するのを防ぐ装置がありにけり。
ついでに、機首下の過給器用空気取り入れ口が、少し下に飛び出してるのは、
(機体表面と段差がある)
機体表面にある流れの遅い空気の層(摩擦で張り付いてる)、層流を避けるため、
そこから上に出す工夫なんですが、
この工夫がなぜかラジエター部には見られません。
主翼下面だと層流の影響は少ないのか?とも思いますが、詳細は不明。
スピナー部。
4枚プロペラになってこれも形状が変わってるのですが、判別に使うにはちょっと難しいかも。
ちなみに黒いステッカーとその間のネジは4枚プロペラ以降のスピナーにのみあるもので、
注意書きは左(先端方向)はLOCKED、右にはUNLOCKEDの文字が貼られてます。
間にあるねじの向きでキチンとロックされたかを確認するんだと思いますが詳細は不明。
ただし、このステッカーは現場では剥がれてしまってるのがほとんどみたいです。
スピナー後ろのパネルは上がエンジンカバー、下の灰色の部分がオイルタンクのカバーで、
当然どちらのパネルも取り外し可能にしてあり、外側に出っ張らない皿子ネジが使用されてます。
スピットファイアの几帳面な部分、どーんと飛び出した20mm機関砲のカバー。
ただしレストア以前の写真を見ると、先端部分は機関砲ごと失われてるようなので、
この辺りはレストアで再生されたパーツでしょう。
その右のドーム型のカバーは、もう一丁20mm機関砲を積むときの穴を塞いでるもの。
C型主翼の武装は変更が可能で、片翼20mm×2門、または20mm×1門+7.7mm×2門のどちらかが選択可能でした。
(やる気になれば7.7mm×4も可能らしいが私は見たことがない)
ただし20mm×1+7.7mm×2を選んだ場合も、
のこり一門用の20mm機関砲搭載基部は残るため、そこにフタをしてるわけです。
コクピット前、風防部にある例のオムスビ型の窓もとか、
防弾ガラスが内側に入ってスッキリしたコクピット正面とかも見ておいてください。
NEXT