主翼。
抵抗を抑えて高速が出るはずの層流翼(東大で開発されたLB翼)なんですが、これだけ凸凹だとなんの意味も無いでしょう。まあ、層流翼そのものが実際の効果は疑問という技術ではあったんですが。ただし気流の加速が弱いので(つまり低速時には揚力が落ちるのだが)、翼面上衝撃波対策にはある程度有効であり、戦後、ジェット機には結構採用されています。

日本機ではお馴染み、踏んだら壊れる部分の注意書き、フムナがいい感じです。ただし先にも述べたように、これのおかげで紫電改は主翼に乗っての搭乗ができません。


 
ちなみにエルロンは金属表皮ではなく羽布張り。1944年初飛行の機体なんですけどね。このあたりでもう、層流翼がどうのとか言い出すのがむなしくなってきます。

 

機体後部からややアップで。

よく見るとコクピット後部の胴体上に小さな窓があるの、判るでしょうか。これは明り取り用の窓で、ここから外部光を取り込んで整備時に胴体内の灯りを確保してました。日本海軍機としては他にもゼロ戦などにもあるものですが(あっちは操縦席内に取り込まれて背もたれの後ろにある)、紫電の段階では無かったはずです。紫電改になる時に追加されたもので、よほど作業がしにくかったんでしょうか。



主翼上面。まあ、凸凹でですな。

機銃銃身の後ろに見えてる小さな凸部二つは機銃の一部が主翼内に収まり切らずに出っ張ったものだと思いますが詳細不明。その手前と奥の板には「点検窓」の表記があり、実際ここはリベット止めではなくネジ止めで、取り外して機銃の点検が出来るようになってます。20o弾の弾倉はもうちょっと前の左右にあり。

手前の楕円の穴はおそらく操作索関係、フラップを動かす部分の点検用ではないかと思いますが確証はなし。

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