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機体前部のアップ。 操縦席の後ろにある、機体転倒時にパイロットが押しつぶされないようにする保護支柱が木製で、ホントにそうだったの、と驚いた部分です。木製だったとしたら横転時にひっくり返った機体を支える事が出来るとは思えないんですが…。気休め、なのかなあ。 あるいは私が知らないだけで、日本海軍の秘密技術で造られた4トン近い重量とその衝撃に耐えられる秘密木材があった可能性も否定しませんが、そんな技術があるのなら他に使い道がるだろうと思うわけで。 例の「手掛」、「足掛」が見えてますが、その前方(写真右側)に見えてるトンネル入口型の蓋は燃料の給油口。白文字の注意書きは「燃料積入口」。紫電改の燃料タンクは操縦席下に二つと胴体側の主翼内部にあるのですが、これ以外の給油口は見当たりませんでした。ちなみに蓋はネジ止めで、給油のたびにドライバーで開ける必要があるように見えます。 追記*** これは簡単に外せてその場から落ちないで紛失の恐れも無い、クイックファスナー系のネジ止めではないか、との指摘を読者の方からいただきました。確認したところ、確かにそのようなので、追記いたします。 さらにその先の斜め上の機首部にもう一つ、注意書きのある蓋が見えてますが、これはメタノール注入口。紫電改の誉エンジンには水メタノール噴射装置が付いており、これでエンジンの気筒内温度を下げてノッキングを防止、高オクタン価のガソリンが無くても一定の圧縮比を稼げるようにしてました。そのタンクが操縦席前にあったのです。その前にはゼロ戦のような潤滑油タンクがあり、こちらの給油口は反対側、機首左側にあります。 もうちょっと横から。排気管周りの胴体が少し凹んで、「微妙にFw190風」なのも見て置いて下さい。 ついでに主翼の上の穴が気になる所ですが、この正体は不明。しかしほんとに凸凹な機体ですね、これ…。 機体後半部。 日の丸の右手にやや大きめの白文字入りの蓋がありますが、これは救命筏(イカダ)を入れてあった場所。 蓋の上の注意書きも「救命筏」になってます。従来の日本海軍の場合、救命筏が搭載されていたのは、複座以上の機体が中心で、単座機には装備がありませんでした。ところが理由は不明なれども、紫電改では生産途中(5101号以降とされるので21型甲以降)からこれを搭載しており、おそらく日本海軍の単座機では最初の搭載だと思います。 ちなみにゼロ戦も戦争末期に登場した62型からその搭載が計画されていたとされますが、私の知る限り、ホントに搭載していたかは怪しいです。 そこから尾部にかけて。操縦席後ろの棒はアンテナ支柱。アンテナ本体ではなく、そこから垂直尾翼のてっぺんに向けて張られたV字形の二本の電線が無線用のアンテナです。 |