さて、今度は下に降りて斜め前から。
この角度からでもエンジンと機首しか見えません。
逆に言えばコクピットからもこちらは見えないわけで、
これ、相当視界は悪かったでしょうね。
翼上面とは違って、下面にはエンジンカウルがドンと存在してるのも注目。
機首部のアンテナ周り。
なんとも昆虫的な印象があります。
現代のテレビアンテナと同じUHF波用の八木アンテナで、
受信用、送信用に分かれてるはずですが、どれがどれだかよく判らず。
この機体に搭載されていたのは
東芝製のFD-2というレーダーで、周波数は500MHzとされます。
ギガヘルツ波ではないものの、波長は60cm前後と短く、
縦横30mを超えてるB-29のような大型機相手なら十分探知できたでしょう。
ただし距離は正確でも、方位誤差が数百メートル単位であったはずですが、
機首を向けてそちらに飛べばいい夜間戦闘機では、
近くに行って見つけたらあとは目視で接近する、という手が使えたはずです。
が、残念ながら、このレーダー残念ながら実用に耐えるレベルの製品には
まだなっていなかったようで、
実戦での迎撃成功例は無いとされてます。
機体を下から見る。
この角度から見るとバットマンの愛機に使えそうな迫力があります。
あの人の正義の使用機材の採用基準、性能より見た目ですしね。
さらに機首部だけ切り出すと、地球征服に来たポチョムキン星人です、
と言われても違和感ないような…。
アンテナの取り付け方法が、正面から見て正方形ではなく、
ひし形になってるのも見ておいてください。
例のピトー管の後ろ、主翼の間に見えてる銀色の部分は
後部座席、偵察員席にある床の窓。
中央の丸い穴は、おそらく偵察機時代のカメラ窓だと思いますが、
こんなのものそのまんまにしてたんですね…。
その後ろに棒が一本で出てるの、わかるでしょうか。
これが後部アンテナポールで、
これと機首下のピトー管の間に
アンテナ線が張られているわけです。
ここでフラッシュを焚い撮影すると、機首下には謎の窓が!
最初、これも偵察機時代の名残りかと思ったんですが、
2式陸偵にこの窓は無く、月光となってから追加されたものでした。
どうも最初に搭載されてた下向きの斜め銃の照準用窓らしいです。
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