前から見るとこうなります。
エンジンカウル前部、ドーナツ状の部分には
ドイツお得意の、ドーナツのような環状ラジエターとオイルクーラーが入ってます。
後部は先に述べたようにカウルフラップになってるわけです。
なので、正面から見ると先に見たMe-109などとは、
丸で形状が異なるため、星型空冷エンジン搭載のように見えますが、
実はHe-219は液冷エンジン搭載機だ、となります。
この角度だと見やすいと思いますが、
ドーナツ状のカウルの中にラジエター構造があります。
正面から風を当てるのではなく、この筒状の空間を通過する
空気で冷却しているわけです。
さらに右上の一部がオイルクーラーになっており、
冷却関係は全てここに入ってますから、
この結果、先に見たように胴体に
余計な出っ張りはありませんし、エンジン、主翼周りも同様です。
同じドイツでもメッサーシュミット社はこういった冷却構造を採用してませんが、
ユンカース、フォッケウルフ、そしてこのハインケルと、
他のドイツメーカーでは広く取り入れられた設計でした。
これもドイツ機の特徴の一つ、といえるでしょう。
エンジンまわりを後ろから。
なんともゴチャゴチャしてます。
上についてるのは何らかのポンプじゃなないかと思いますが、よくわからず。
参考までに典型的な液冷エンジン、双発の機体イギリスのモスキートの
エンジン周りはこんな感じ。
後ろはほとんど出っ張って、ませんし、
正面は閉じられた形状で流線型にまとめられています。
その代わり、オイルクーラーやラジエターが下に出っ張っているので
結局、ドイツの環状ラジエターに比べ、どっちが空気(有害)抵抗が小さいのか
実は微妙なところだったりもします。
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