機首下の各部をアップで。
まずは過給器の空気取り入れ口。

ちょっと奥の位置に網状の簡単なフィルターがあるのみですが(この機体のは破れた状態)
よく見ると上にフィルターを塞いで過給器まで空気を迂回させる部分らしきものが上に見えており、
もしかすると、さらなる小型化がされた防塵フィルターが奥に入ってる可能性もゼロではありませぬ。
ここら辺りは資料がないので、はっきりした事が言えないのですが…。
どうもイギリス人もグリフォンスピットは興味が無いのか、誰も調べてないんだよなあ…。
飛行手帳にはこんな細かい構造まで説明はないし、どうしようもありませぬ。

胴体から少し浮き上がってる空気取り入れ口は、F-16などと同じ構造ですが、
その目的も同じで、機体表面、摩擦で流れが淀んでる層流部を避け、
その外側の早い空気の流れを取り込むための工夫です。



これは自衛隊のF-2ですが、まあ、実質同じものって事で写真を載せときます。
ご覧のように胴体表面から離れた位置に取り入れ口を設置してるのです。
どちらもエンジンの空気取り入れ口ですから、ジェットエンジン(ターボファンも)が
いかに空気を一気に大量に取り込んで燃焼させてるのかが良く判るかと。



ラジエータ部。こちらは左翼のもの。
ドカンと下に飛びだしてるのですが、それでも足りない、という感じで、
ラジエターは主翼内部にまで食い込んでます。

グリフォンエンジンになっても、ここにオイルクーラーが同居してるはずなんですが、
どうにもそれらしい物が見当たらず、構造的にラジエターと一体化してるんですかね。
この辺りもちょっとよく判りませぬ。

手前の脚の固定輪部に、何か赤い輪が付いてますが、これも正体不明。
フフフ…奥が深いぜスピットファイア…と誤魔化して置こう。



こちらは右翼下のもの。
相変わらず、主脚が正面で冷却の邪魔してるのがわかります。

しかし主翼下までツルピカでして、見事な工作精度ですね、これ。
この段階ではまだ普通の楕円翼で層流翼とかではないはずなんですが。



脚収納部周辺。
車輪が入る穴の補強材が2本に増えてますが、これがe型翼の特徴なのか、
グリフォンスピットになった後のものなのかは不明。

爆弾懸架部周辺に開いてる薬莢の排出口、
さらにラジエター箱部の取り付けが、実は結構豪快な力技なのも見といて下さい(笑)。



主翼端。
翼端パーツを外した短翼型ですが、その翼短パーツの先端にある翼端灯まで
ペンキで塗られてしまってるのはご愛嬌。
ロケット発射架の後ろに開いてるやや大き目の穴は主翼内カメラのものじゃないかと思うんですが、
実は現地では存在に気がついてなかったので確認はしてません。
そもそも e型翼にカメラって積めたのか?という基本的な疑問もありますし…。

で、良く見るとこれ、主翼後部のエルロン(補助翼)が短いMk.VII(7)型の主翼じゃないですか。
えええ?なんで、と思って調べてみたら、
どうもMk.XIV(14)のe型翼はこのタイプが標準のようです。
理由は全く不明。


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