反対側の膨らみには何か点検用らしいハッチがあるのですが、詳細は不明。

ついでに写真手前、開閉が必要な外板の固定に使われてる、
頭が出っ張らない皿子ネジも見ておいてください。



5枚式の木製プロペラのアップ。
なんだか虫の羽根みたいな色だな、と思ったり。

グリフォンではエンジンの回転方向が逆になったので、金属カバー部も左に移ってます。
このカバーも実は一枚板ではなく、細かく分断されたもの、というのが見て取れます。



機体中央部下。
馬台で機体を持ち上げてるのは、欧米の博物館のマネで(笑)、
本来は主脚に機体重量が架かって緩衝部の油圧低下を招くのを避けるためなんですが、
この機体の場合、完全に緩衝部の油圧が抜けきってますから、意味がありませぬ…。

機首下の過給器空気取り入れ口は後期マーリン搭載のものより短くなっており、
既にアフリカ戦線の決着がついた後の機体なので、防塵フィルターは取り外されてるのかも。
巨大化したラジエターも見といてください。

主脚も重量増加のため、強化されてるらしいのですが詳細は不明。
ちなみに従来より大型化されてる、というか
ヤケに目立つようになっていたのが、主脚の前に付いてる矢印の先の金具部。



これは現代のジェット機の脚によく見られるこの“く”の字型の固定金具です。

緩衝部(オレオ)下の車輪は固定されてないため、これが回転しないよう固定するもの。
緩衝部は衝撃や重さ(どっちも力だ)を吸収して沈み込むので、
金具部も折り畳みが効くような構造になってるわけです。

これを大型化する理由はちょっと思いつかないのですが
なぜかMk.XIV(14)ではこれが大型化しています。
ちなみに上の写真の右翼の主脚は緩衝部が沈んで短くなってる状態。



対して左翼の主脚は緩衝部が伸びきってる状態です。
わざわざ両方の状態を再現してるのではなく、どっちかが駄目になってるんだと思います(笑)。
あるいはこのせいで機体が水平を保てず、ウマ台を入れたのかな。
ついでに左翼(向かって右)の車輪は先にも書いたようにタイヤが完全に別物で、
この展示機でもっとも残念な点となってます。



グリフォン積んだMk.XIV(14)ではこの辺り、
すなわち機首下から主翼中央部下に改修部が集中してる印象もあるので、
比較のために両者の写真を並べてみました。
下は後期マーリンエンジン搭載のMk.XVI(16)です。

大型化されたラジエター、逆に短くなった機首下の空気取り入れ部などがわかるかと。


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