■シャトル軌道船のあれやこれや
さて、今回は最後にここまで紹介できなかった写真と、
ウドヴァー・ハジーセンターで展示されていた細かいネタをまとめ、
スペースシャトル軌道船編の最後としましょう。
とりあえず載せる場所が無かった、機首部左側アップ。
耐熱黒タイル、すなわち再利用可高温断表面熱材、HRSIの貼り方が、単純に同じ方向に
同じようなサイズのものを貼り込んでるのではなく、いろんな向きに、
様々なサイズのものが利用されてるのを見て置いてください。
ついでに例の姿勢制御装置、RCSが入ってる機首部の出っ張り部分、
よく見るとその周辺部にもネジが確認できます。
これも外側からのネジ止めで固定されてるんでしょうかね。
ちなみに画面右側、操縦席下の丸いフタのような部分が搭乗口で、
中心の黒っぽい丸い部分は窓ガラスになっていて外が見れます。
ただし先にも書いたようにあくまで地上で出入りするためのハッチであり、
宇宙空間での遊泳、あるいは宇宙ステーションへの移動はここからではなく、
荷物室に搭載した減圧室、あるいは専用通路を使って行います。
ちなみにこれがあるのは機首左側のみです。
ついでなので右側も。
こちらに搭乗口は無いのですが、ほぼ同じ位置に以前に紹介した
非常用脱出口があるので内部構造は左右対称になってる可能性があります。
この角度だと、かろうじてコクピット上の天井の窓が見えてますね。
宇宙空間で上見ても何もないと思ってしまいますが、
軌道船は地球周回中は背面飛行に入ってるので、
あの窓から地球が観察できるはず。
ついでにコクピットの窓から泣きぼくろのように、一点だけつけられた
黒タイル、HRSIがちょっと印象的。
主翼端部分と、その裏側。
主翼前縁部分は対超高温用の素材、RCC製なんですが、
翼端部の耐熱材はそれとは異なる素材になってます。
でもってこれ、主翼下面のHRSIとも明らかに異なるものですね。
これは525枚だけ使われてるより重いLI-2200製の黒タイルHRSI、
あるいはロケットノズル周辺部と同じ酸化アルミニウムを素材としたTUFIか
どちらかだと思うんですが、資料がなくて判断が付かず。
ついでに主翼下面のHRSIタイルが、機体に水平、すなわち進行方向に向けて
並べられてるわけでは無く、斜め方向に貼り込まれてるのも注意。
なにか強度上の問題なのか、あるいは最も無駄なく貼れる方法なのか、
その辺りはよく判りませぬが。
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