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■スーパーマリン スピットファイア Mk.I A シカゴの産業科学博物館(Museum of Science and Industry)にあるスピットファイア Mk.I(マークワン)。 言うまでもなくスピットの最初の量産型であり主翼には8門(片翼4門)の7.7o機銃が積まれているのでA型という事になります。 ちなみに7.7o×4、20o×2搭載がB型で、スピットは基本的に主翼の武装によって派生型(Subtype)のアルファベットが変化します。 そしてスピットはイギリスの偏狭的なまでのマニアの皆さんのおかげで、シリアル番号さえわかればかなりの情報が手に入る機体でして、P9306のこの機体も、1939年スーパーマリン社のウールストン工場製、エンジンはNo.119226のマーリンIII型(おそらく100オクタンガソリン対応の高圧縮比改造型)、508機目のスピットファイア(試作機を含むかは不明)で、1940年1月24日に部隊配備され、後のバトル オブ ブリテンにおいてBf109とBf110を1機ずつ撃墜、その後にも3機の撃墜申請があった(公認されたかは不明)、とされています。 その後、1940年秋(9月?)に損傷、修理に廻され、10月に部隊復帰。さらに1941年まで第一線に留まったものの、すでにMk.Iは旧式になりつつあったため、1941年7月に訓練用機に転換されています(基礎訓練の単独飛行終了後、この機体でも単独飛行で訓練した。よって複座に改造とかは無し)。 1943年9月に事故により再度損傷、修理に廻されますが、さすがに旧式となっており、この時点で退役となり、保管に移されました。 その後、同博物館にあるJu-87Bと同様、イギリスの戦時国債販売キャンペーンの宣伝用に1944年8月にアメリカに送られ、おそらくアメリカ各地を回った後、同年11月から、産業科学博物館での展示となっています。よって、これもほぼ当時の状態をそのまま維持している貴重な機体の一つ、という事になります。 ちなみにシカゴの産業科学博物館、他にもUボートも丸ごと1隻持ってますから、下手な軍事博物館よりよほど展示が充実している所なのです。 とりあえず、今回はこの機体を見て行きましょう。 |