尾部をアップで。
方向舵(ラダー)に見える三角形の出っ張りはタブ部分を動かすロッド。その上に例の怪しいツギハギが見えてます。



尾翼部。昇降舵(エレベータ)が羽布貼りなのがなんとなく判りますかね。
尾翼下に見えてるW/Tの文字はマニュアル等に説明がなく、あのイギリス人の間でも定説が無いという珍しいものなんですが、Wired Throughout、操作索、動翼操作用のワイアがこの位置を通ってます説と無線発信機 Wireless transmitter あり説があり。機体の動翼周りに多くみられる事から無線機とは考え難く、恐らく前者、操作索の位置表示じゃないかと思います。確証はないですけどね…。

その横のDTD308という数字はイギリスの技術開発長官(Directorate of Technical Development)が発行していた技術仕様番号。
この場合は塗料の種類の指示するもの(恐らくセルロース系塗料の指定)。これが残ってるという事は、この辺りはオリジナルの塗装のママの可能性あり。
その上に小さく見えてるのはメーカーと製造工場の略称で、SALで Supermarine Aviation Limitedの略、あとは製造工場やら製造ロットやらの表示になります。



尾翼部をアップで。



水平尾翼と昇降舵(エレベータ)。水平尾翼の上側はキレイ過ぎるのでおそらく戦後に塗りなおされてますね。

この写真だと昇降舵(エレベータ)が布張りなのがよく判るかと。
高速時には歪んでしまうのでよりよい操縦性を求めるなら金属製が望ましいのですが生産コスト増、重量増につながるため、スピットではグリフォンエンジン搭載型が登場するまで羽布張りのままでした。
主翼のエルロン(補助翼)は早くもMk.V(5)の辺りで金属外皮化されていたんですが。

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