主翼を上から。なるほど、楕円翼だという感じですね。



主翼付け根付近を下後部から見上げる。
主翼後部と胴体の接続部、途中に凹があるW字型の独特の断面型になっているのに注目。これがスピットの特徴の一つで主翼の根元が急激に上に跳ね上がる構造になっています。
このため、先にも見たようにスピットのフラップは根元で二枚に分割されているのです。

なんでこんな形に、というと付け根で前後幅が最大になる楕円翼だと、後部が絞り込まれるスピットの胴体ではそこに段差が出来てしまうため。これ生産性悪かったと思いますが、それよりも空力的な洗練(胴体の絞り込み)を優先したのがミッチェルの設計らしいところ。

 

ラジエター(手前)、とオイルクーラーをややアップで。
主脚の収容部かなり隙間やら段差やらがありますが、空気抵抗対策としてはこれでも十分だったわけです。例によってMk.IX(9)までこの状態で、約650q/h前後の速度をだしてたわけですから。

ついでに例の胴体と主翼後部の接合部、W字形整形も見て置いて下さい。



そこから前。
中央部の空気取り入れ口は前部のカバーが外れてしまった状態なのがよく判るかと。
この空気取り入れ口、えらく小さい印象がありますが、マーリンエンジンでも1段過給しか無かったMk.V(5)までならこれで十分だったようです。
ただし2段過給のマーリン60系以降ではさすがにきつく、Mk.VII(7)以降は大型化されます。

全体的にスマートなスピットですが、例の機首下の潤滑油タンクカバーあたりがちょっとモサっとした印象です。
同じエンジンのP-51B型以降とかはもう少し洗練されてるので、余計にそう感じるのかもしれませんが。

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