ほぼ真下から。
スピットの楕円翼の形がよく判ります。誘導抵抗削減に理想の形状なんですが、高速飛行が前提のスピットにそのメリットはあまりなく、おそらく強度を保ちながら十分な武装を主翼内に積む、という事でこの形が選ばれたように思われます。

主翼下面、主脚の外に見える赤い枠の穴は機銃の薬莢とリンクの排出口。よく見ると国籍章のラウンデルの中にもこれがあります。



少しアップで。ラジエターとオイルクーラーの間、胴体中央付近に見える銀色の丸い穴は増槽用のパイプ接続部。
ただしMK.Iの段階では長距離移動用のスリッパ型と呼ばれる大型で胴体下に密着して搭載する型しか使えませんでした。これが空中投棄可能だったのかは判りませんが、重量的、空力的に共に不利でしたから、基本は戦闘用ではなく長距離移動時用の装備だったはずです。



やや斜め前から。
機首下、主翼の間にあるのはエンジン用(過給器)の空気取り入れ口。やけに雑な作りですが、この機体では先端部分のカバーを紛失してるためで、実際はもう少しきちんと整形されてます。

 

機首前部をアップで。
機首下部がバッタのように膨らんだ形状はスピットの特徴の一つですが、この中には潤滑油タンクがあり、これはいくつかの大きさの種類が任意で選べました。
当然、大型化するとこのカバーも膨らみが大きいものになります。同じスピットでも機首部の形状でかなり違う印象のモノがあるのはこのため。ちなみにこの機体のモノが一般的な通常型。
長い距離を飛ぶ偵察型では大型の潤滑油タンクが積まれる事が多く、このためお腹に卵でも入ってるのか、という感じに機首下が膨らんだ機体が多いのです。
基本的には工場の生産段階でどちらかが選ばれていたはずですが、構造的には現地改造も可能だったと思われます。

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