主翼下面。
爆弾懸架装置やダイブブレーキの背面など、当時の写真ではなかなかよく見れない部分です。
主翼の付け根後部、胴体下に出っ張てる角みたいなのが、先にも説明した乗降用の足掛け。

例のエルロン(補助翼)のフラッター(振動)防止用マスバランスの上、主翼下面に穴が開いてるのにも注目。
これはエルロンを下におろした時、マスバランスが主翼にぶつかってしまうため、この中に納まるようにしたもの。
なんとも豪快な設計だなあ、と思わせる部分でもあります。

ついでに本来はこの右翼にピトー管があるんですが、現状では失われてしまっています。



機首部と車輪のアップ。
250s爆弾投下装置の付け根辺りとか、普通ではまず見れないですから、注目して置いてください。



脚周りをアップで。
で、載せて置いてなんですがタイヤとホイールはホンモノでは無い代用品。
つーか、これ、ホイールはP-51 ムスタングのそのままちゃっかり使ってないか(笑)?
ただし脚本体はブレーキ周りの配管が失われてますが、本物です。




運用説明書(Betriebsanleitung )より引用。正しい車輪の形状はこんな状態でした。ついでにスパッツの形状と取り付け方も。



裏側から。

ちなみにJu-87は1935年初飛行ですから、Bf-109と同年デビューでした。
そして不思議な事に、特に高速性を求められたわけでもないのに当時の最新技術、Bf-109と同じ沈頭鋲を機体全体に使っており、意外に機体表面が滑らかなのに注意してください。

アメリカなんて、1940年初飛行の海軍の急降下爆撃機、ドーントレスですら枕頭鋲は外翼だけ、胴体と内翼はリベットだらけですから、この点、Ju-87は極めて先進的な設計だったのです。
ドイツならではのこだわりですかね。



SBD ドーントレスの機体表面なんてこんな感じです。Ju-87より5年新しい、当時としては完全な新世代機なのにこれです。
ただし最高速度は410q/hとわずか20q/hほどですがドーントレスが上なのです。
エンジンパワーも10%ほどドーントレスが上ですが、重量も10%前後思いので、条件はほぼ互角でしょう。
この辺り、機体表面のリベット、500q/hくらいまでならそれほど最高速には影響がないのか、それともJu-87のアゴ式ラジエターが巨大な空気抵抗になっていたのか、よく判りませんが。



同じような角度から、もうちょっとアップでもう一枚。

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