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主翼。かなり分厚いです。 上面に開いてる穴は弾痕にも見えますが、下面の同じ位置に穴がないので、単に破損のような気もします。 胴体後部。 真正直という感じに四角い水平尾翼は支柱付きで、この辺りも設計の古さを感じます。これも空気抵抗になったでしょうね。 ちょっとブレてますが尾翼部。先にも書いたように、機体後部はかなりスマートな印象なのです。 水平尾翼の端っこに見えてる小さな板状のものは整流板を兼ねたエレベータ(昇降舵)と水平安定板のマスバランス(飛行中のバタつきを抑えるオモリ)です。あの部分は中央で左右に分かれ、後部がエレベータのマスバランス、前部は安定板のマスバランスになってます。 なんでマスバランスが前後に分割なの、といえば、Ju-87もドイツの戦闘機と同じく、水平尾翼は前後とも上下に動くから。後ろが動翼、手前が不動の安定板ではなく、Me-109のように、この機体も前後共に動きます(手前が油圧駆動、後ろの動翼は単純なワイア駆動だと思われる)。 このため支柱も可動に対応するようにヒンジで取り付けられているのです。スゴイよね、ドイツ機。 水平尾翼を横から。 ちょっと見づらいですが、ラダー(方向舵)、エレベータ(昇降舵)のタブは二分割されている、という変わったものです。これも何か理由があっての設計なんでしょうがよく判りません。 ちなみにエレベーター(昇降舵)のタブは例の主翼下のダイブブレーキと自動的に連動し、ダイブブレーキが下がるとこちらは自動的に跳ね上がるようになっています。そのタブは単純なワイア駆動ではなく油圧駆動で、そのための専用の油圧制御箱が水平尾翼の中に入ってました。 恐らく主翼下(揚力の支点よりわずかに前)で強烈な空気抵抗が生じた結果、機首下げが起きるため、ケツを押し下げてバランスを取るためのものでしょう。1935年初飛行の機体にしてはかなりの先進的な設計だと思います。 といった感じで、シカゴの産業科学博物館に展示されてるJu-87 B2の紹介はここまでです。 |