主翼下面。
男らしいゴツイ機体という印象のグラマンですが、
さすがに主翼周りは世界標準の滑らかな表面仕上げです。
主翼の端に付いてるのは翼端灯。
良く見ると翼端パーツの付け根付近、写真だと右上部に
何かを引っ掛ける小さなワッカ部が見えてますが、これは主翼を折り畳んだ時、
ここから水平尾翼まで綱で結び固定するもの。
どうも主翼の折り畳み機構に後ろに向けて固定する装置がないようで、
この部分と水平尾翼を縄で結んで固定した、という事みたいですね。
その綱の使い方は後ほど。
ついでながら主翼下の丸いフタは全て点検用ものなんですが、
この機体だと全てにINSPの文字が入ってます。
ホントに当時からこんなに親切だったのか?と思いましたが、
実際に造ってたグラマンの連中がそうだ、と言ってる以上、
そうなんだろうなあ、というところでしょうか…。
主翼を真横から。
ほとんどテーパー(taper/先細り構造)がかかって無い主翼ですから、
ネジり下げも入ってないようです。
この角度から見たワイルドキャットの胴体はなんだかカエルみたいな印象がありますね…。
主翼の折り畳み構造部。
例の主翼上の凸部が回転用ヒンジの頭、というのがわかります。
主翼の展開、折りたたみは完全に人力によるのですが、一人でも簡単に動かせる重さでした。
ただし、これを固定するには付け根部分の取っ手をグルグルまわして固定棒をねじ込む必要があり、
その間主翼を押さえてる人間と合わせて、最低でも2人の人間が居ないと主翼の展開はできません。
写真左側、矢印の先にあるのが固定用取っ手の収容部のフタでと固定ネジで、
このネジを回してフタを開くと、その右上に見えてる取っ手が下に飛び出してきます。
これを回して主翼を固定したら、再び中に取っ手を畳みこんで、フタをしてしまえば固定完了となるのでした。
ついでにその取っ手の上に赤い札のようなものが見えてますが、これは確認板(Flag)で、
写真では見えてませんが、主翼の固定が完全でないと、これが主翼の上に飛び出したままになります。
よってパイロットはコクピットからこれを見て主翼がキチンと固定されてるか確認する事に。
主翼表面部。
非常に滑らかな仕上げで、まあ世界標準、という感じでしょう。
ただし機体側(画面左)に明らかに浮き上がって取り付けられたフタが見えてますが、
これは12.7mm機関銃とその弾倉のもの。
下(前)の横長のフタはヒンジで上に開けることができます。
主翼上の国籍章(ラウンデル)は、まだ左右に白帯が着く前のものを再現してますね。
翼端部。
実はエルロンから外のほんの一部分だけ、リベットが通常の凸部あり式のものになってます。
理由は不明。
翼端灯が赤で、主翼上面の編隊灯が青っての普通に考えると変な気がするんですが、
編隊灯に関しては厳密な規定を知らないので、これもありなんでしょうか…。
右下に見えてるのが、例の折りたたんだ主翼固定用の綱で、
ご覧のように水平尾翼の前まで繋がれ固定されてます。
その奥に見えてる垂直尾翼の根元、取り付け部分の無骨さはグラマンらしい部分かも。
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