なんとなく(笑)撮影した胴体後部下とか。
主翼下面のオイルクーラー容器の中に、蜂の巣状の本体が見えてます。

例の謎の金具、その正面に付いてるように見えますが、
実際は少し斜め前の位置です。



ちょっとボケてしまいましたが、ピトー管。
ワイルドキャットでは折り畳み主翼になった後、直線棒型のものから、
このL字型のものに変更されてます。

その手前でさらにボケて写ってるのが、例の主翼端のワッカ部と、そこに繋がれた綱の基部。
この綱を水平尾翼に結びつけて固定してるわけです。



斜め後ろから見ると、なんともオデブちゃんな印象の機体です。
胴体背中で前に傾いてるアンテナ支柱(少しでもアンテナ線を長くするため)と、
そこからさらに胴体横の絶縁部にまで引かれてるアンテナ線を見といてください。
胴体下部、10の文字の下に開いてる穴は足掛け部ですが、本来はスプリング式のフタで閉じてます。



コクピット周辺を。
この辺りの形状、なんだかナウシカに出てきた王蟲みたいだなあ、と思ったり。

ちなみにワイルドキャットは当初、防弾ガラス無しだったのですが、
量産開始の直前に、急遽防弾ガラスを前面に追加してます。
アメリカ軍の戦闘機は当初予定に無かった防弾ガラスの搭載を
ヨーロッパ戦線勃発後、次々に採用してるので、何かイギリス軍からの影響があったのかも。

画面右端に見えてる青いパーツは編隊灯。
その後ろに点滅用の灯火がついてるのが見えますが、これも同じような用途のものじゃないかと思います。

アンテナ支柱のアンテナ線の張り方が意外に単純ではないのを見といてください。



最後に、あまり知られてないものを。
この作図板(Plotting board)はワイルドキャット(FM-1)のコクピットに搭載されたもので、
ここに海図などをはさみ、自分の位置、目標の位置、そして発進後に豪快に移動してしまってる
母艦の位置を記入し、キチンと目標に到達後、自分の母艦に帰れるようにするわけです。
これはコクピットの計器盤の下に机の引き出しのように収容されていて、いつでも引き出せました。

この作図板、Mk.3という名前から、すでにかなり開発が進んでいたものらしく、
F4F-3などだと、もう少し古いものが入っていた可能性はあります。

ただし単座の戦闘機でこれをキチンと使うのは極めて困難で、
一所懸命記入していて周囲の警戒を怠ってしまったら、
いつ敵にやられるかわかったものではなく、
さらに空中戦に入ってしまったら、どこをどう飛んだか、なんてわからないのが普通です。

このため、艦上戦闘機は複数の乗員が居る艦上爆撃機や雷撃機に誘導されて
目標まで飛び、同じく誘導されながら帰ってくる、というのが普通でした。
特に相手が地上目標でなく、これまた移動する敵艦隊だったりした場合、
まず相手の場所までキチンと飛んでゆく、というのが一苦労だったようです。

ミッドウェイなどでもアメリカの艦載戦闘機はかなりの数の燃料切れ不時着水があるので、
おそらくまだ不慣れだったパイロットが多かったのではないかと。

といった感じで、今回の記事はここまで。


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