主脚部をアップで。
奥の車輪の内側に見えてるのはブレーキで、そこに繋がってるのは作動用のホース。

この巨大な脚を、自転車のチェーンのような機構で胴体に収容してます。
すなわちコクピット右手のハンドルを回してワッセワッセと上に巻き上げるのです。
着陸のときは自重で勝手に下に降りそうな感じですが、
飛行中の映像を見ると、キチンとハンドル回して下ろしてるようです。
体力勝負な戦闘機…。

この主脚部から後ろの胴体はリベットむき出しになってしまってるのも注目。
胴体下の窓は、先に説明した対空爆撃(笑)用のもの。



後ろから見るとこんな感じ。
なんだかレーシングカーのダブルウィッシュボーン サスペンションにも似てるので、
基本は衝撃吸収のための構造ですかね。

こうして見ると、胴体幅から可能な限り左右に広げてるんですが、それでも2m以下の幅しかなく、
安定してる、とは言いがたかったようです。
このため、左右に少しでも傾いて着艦したり、艦上のタキシング中に急カーブをきると
そのまま傾いてしまって翼端を甲板でこする事故が多発したとか。
イギリス海軍ではこの事故を起こした連中を翼端クラブ(Wing tip Club)なヤツ、と呼んでいたそうな。



もう少し引いた距離から。

ちなみに機体に開いてる車輪収容部の孔の上の方に
ラジエターのような格子型装置が見えてますが、あれがインタークーラー用の冷却装置。
これ、脚が出てる時は問題なく空気が後ろに抜けますが、
脚を収納してしまうと、空気の抜け穴が無くなってしまうような…。
まあ完全密閉するほどの精度は無いはずなので、その隙間でなんとなったんでしょうか。

脚収容部の直後、機体下面の凸部には燃料排出口の注意書きがあるので、
ここからタンクの燃料を抜けたようです。
ただし飛行中、パイロットの操作で投棄できたのかはよくわかりませぬ。

主翼と胴体をつなぐ部分のカバーが、低翼機のフィレットに比べると
極めてあっさりしてるもの見といてください。
ちなみにF4Fでこの接合部外板があるのは主翼の下側だけ、上にはありませぬ。

しかし、こうして見ると、胴体後半部のリベット、豪快だなあ…。


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