お次は機首周り。
赤いGの字の左横にシートベルトの付いた座席が見えていますが、
意外に奥まった位置、しかも低い場所で、
どうも偵察&爆撃機という事で下方視界を優先してるような印象があります。
風防の手前横にある四角い枠は、地上での連絡用の窓。
He-219にもありましたから、窓が開け難い機体用の装備ですかね。
ちなみにAr-234にはかなり高度な自動操縦装置が付いており、
一定高度に達して目的地に接近するまでは、
手放しで何もしないでも大丈夫だったそうな。
まあ、あくまで1944年以降のヨーロッパ戦線の話なので、
それほどの長距離ではないでしょうが。
ついでに、偵察型のモスキートとすれ違って、両者どうしようもないから、
手を振って挨拶してた、という第一次大戦初期みたいな話もあるのだとか。
もうちょっと斜め前から。
正面下の風防の中央上下に黒い線が見えてますが、
これは分割線ではなく、後から書き込まれたもの。
操縦中に何かの目安にしたんでしょうかね。
ここでまた古い写真を。
この機体、昔の展示の方が近づけたのです。
一番上の潜望鏡(ペリスコープ)は後部確認用と爆撃照準器をかねていて、
前後に二つレンズがあり、下に飛び出してるコクピット内の接眼部で
どちらを見るか切り替えられたようです。
とはいえ、これで後ろを見たところで、
どれだけ実用的だったのかは微妙な気も…。
いずれにせよ、外を見るだけならもっと小さくていいはずですから、
この箱部分には照準用のジャイロでも入ってたのかしらむ。
ついでにコクピット下側の左右に電気モーターのようなものが見えてますが
ここは舵(ラダー)用のペダル部なので、
操作補助用の油圧アクチュエーターでしょうか。
ちなみに、このゴチャゴチャした機首部分見て、
昔のブラウン管式テレビって、
裏フタを外すとこんな感じだったなあ、と思ったり。
お次も古い写真ですが、ちょっと横から。
機首よこの小さな板は外気温用のセンサーです。
こうして見ると座席の位置が極めて低く、
地上に立ってる人より視点が低いんじゃないですかね、これ。
脱出する場合、ここで立ち上がって天井を開けるしかないので、
現実にはかなり厳しかった気もします。
ちなみに当初は長距離偵察が主任務と考えられていたためか、
座席の左右には肘掛(折りたたみ式)が付いてるとのこと。
これは長距離飛ぶ機体にはよく見られるもので、
アメリカではP-51Dムスタングにも付けてました。
(ただし左側だけ)
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